「大麻への偏見が解けてきていたのに…」栽培家逮捕で“産業用大麻”推進論者に困惑広がる

「町おこし」としての大麻栽培を担っていた中心人物が逮捕


上野俊彦氏。移住した集落の古老からの勧めもあり、林業が衰退した町の活性化のため大麻栽培を始めたという

 鳥取県智頭町の大麻栽培・加工販売会社「八十八や」代表の上野俊彦氏(37歳)が、厚生労働省の中国四国厚生局麻薬取締部に大麻所持の疑いで逮捕。同社の従業員2人も大麻所持の疑いで逮捕された。

 厚生労働省によると、栽培していた大麻は麻薬成分のない品種で、所持していた大麻は別ルートで入手したとみられ、「他人からもらい、自分で使うために持っていた」と容疑を認めているという。

 群馬県内で麻関連の工場に勤務していた上野氏は、2012年3月に智頭町へ転居。2013年4月に鳥取県から許可を受け、耕作放棄地を利用して麻薬成分(THC)のない産業用大麻を栽培していた。

 智頭町ではかつて大麻栽培がさかんで、100年前の時点では55町歩(約54万5000㎡)もの栽培面積があったという。そんな伝統産業の復活を目指した上野氏の大麻栽培は、町おこしの成功事例として全国からの視察が相次いでいた。日本各地の伝統産業復活を支援している安倍昭恵首相夫人も注目、現地視察を行っている。

「大麻への偏見をなくしたい」との使命感を持っていた好青年


昔ながらの搾り方である直圧式の低温圧搾法で絞った油など、「八十八や」の大麻製品は品質が高く需要も多かった

 大麻文化に詳しく、上野氏をよく知る谷崎テトラ氏(作家・音楽家)はこう語る。

「上野さんは『大麻への偏見をなくして、全国に広めたい。その有用性や伝統を知ってほしい』と、使命感を持って大麻栽培をしていた好青年でした。彼は産業用大麻を広めるという立場から、ドラッグとしての大麻の合法化を求める人たちと関わることを意識的に避けていたんです。だから今回の逮捕は本当に信じられない。

 まだ厚労省の発表だけなので詳しいことはわかりません。『乾燥大麻』というだけでどんな大麻を持っていたのかも不明だし、本人から直接のコメントがあるまでは具体的なことは言えません。ドラッグとしての大麻と、産業用・医療用大麻は別に考えなければならない。ドラッグとして大麻を使っていたのだったとしたら、本当に残念だし、悲しい」

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