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大穴 福田救国内閣誕生か?

 “不信任騒動”をからくも乗り切った菅首相が再び崖っぷちに立たされている。公然と党内で“ポスト菅”争いが本格化しているのだ。今や、週刊誌も「ポスト菅予想」に躍起だ。  『週刊現代』(6月11日発売)は「次の総理は前原か枝野」と見出しを打って特集記事を掲載。前原誠司外務相、枝野幸男官房長官のほかにも、樽床伸二元国対委員長、細野豪志首相補佐官、亀井静香・国民新党代表の名前を次期首相候補として挙げている。  対する、『週刊ポスト』(6月11日発売)は「小沢一郎が口にした『次の総理』の名前」という記事を掲載。小沢氏が側近に「若い原口(一博前総務相)君でも総理をやれる」と漏らしたと報じている(週刊現代は「原口はもうあり得ない」という小沢派議員のコメントを掲載)。  そのほか、『週刊文春』(6月9日発売)は「次の総理!? 仙谷官房副長官 早くも消費税10%大演説」のタイトルで枝野幸男官房長官と野田佳彦財務相が候補に挙がっていることを報じ、『週刊新潮』(6月9日発売)は仙谷氏が「“一番総理をやる気があるのは枝野”だと漏らしている」と報じているのだ。  果たして、誰が本命なのか? 全国紙政治部記者が話す。 「ポスト菅を担う人材の最低条件は、党の要職ないし閣僚経験者。加えて、党内実力者の支持を得るられるかどうかが大事。その点、樽床氏は小沢グループに近い“中間派”で、党内支持基盤が弱い。出馬の意欲を見せている小沢鋭仁前環境相は昨年9月の民主党代表選で小沢一郎氏を支持した人物ですが、小沢グループの支持を得るまでには至っていません。原口氏は……すっかり先の“不信任騒動”の変節で、党内の信頼を失っています。現在の本命は、仙谷氏が擁立に動いているとされる野田氏でしょう」  この野田氏は、若手保守系議員からなる花斉会の領袖で、自民党とのパイプもあるもとされる人物。が、必ずしもその実力を評価されての、ポスト菅最有力候補というわけではなさそう。与謝野馨氏の入閣や6月政局を的中させてきた“ウィスキーリークス”こと政治ジャーナリストの藤本順一氏が解説する。 「期限付き大連立を前提にしている以上、次の首相は一時的に自民党と手を組む“とりあえず”の首相にしかならない。というのも、連立解消後の選挙を考えなくてはならないからです。政策面で合意して連立を組んだはずの民主党代表と自民党総裁が、選挙では急に敵対するなんて道理が合いません。選挙前にトップの顔を入れ替えることを考えなくてはならないので、前原氏や枝野氏、岡田克也氏など、党内若手の実力者を極力推したくないという計算が働きやすくなるわけです。その点、野田氏は目立たないが、自身のグループを率いる実力者で、かつ自民党との“調整役”も担える人物。とりあえずの首相としてはうってつけなのです。一部で渡部恒三最高顧問の名前が首相候補に上がっているのも同じ理由です」  乱暴に言えば、ポスト菅は消去法で選ばれつつあるというわけ。これを前提に藤本氏は大胆な予想をする。 「鳩山前首相、菅首相と民主党を代表する2人の実力者にもできなかった政権運営を、震災復興の大事な時期に経験の浅い若手が担えるはずがないのだから、わざわざ党内で首相を選ぶ必要もないんです。大連立を組むのなら、自民党から選んでもいい。とはいえ、谷垣禎一総裁や石原伸晃幹事長は“不信任騒動”の責任を免れない。すると、地位に固執しないうえに、首相経験もある福田康夫氏あたりが担ぐのにちょうどいいんです。安倍晋三元首相、麻生太郎元首相と違って、民主党と選挙を戦ったこともないんですから。『福田救国内閣』の誕生は十分にありえるでしょう」  予想だにしなかった”ポスト菅候補”だが、そこは「あなたとは違うんです」の名言を残した首相経験者。誰も成しえなかった民自大連立から震災復興へ導くことに期待して……SPA!はこの大穴に乗っかります! 取材・文/池垣完
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