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黒木渚のアルバムをモチーフにした映画『うつろいの標本箱』制作秘話。原曲者・黒木渚、監督・鶴岡慧子、主演・櫻木百…女たちそれぞれの思い

 黒木渚が2014年にリリースしたアルバム『標本箱』をモチーフに、新進気鋭の鶴岡慧子監督が映画化に挑んだ『うつろいの標本箱』が、10月29日から東京・渋谷のユーロスペースで公開される。元ゆるめるモ!で現在はHauptharmonieの一員として活躍するアイドルの“もね”こと櫻木百を主演に迎えた本作は、それぞれ誰かに想いを寄せる6人の女性と9人の男性がすれ違う日常をスケッチのように描いた群像劇だ。  映画公開を記念して、鶴岡監督、黒木渚、櫻木百による鼎談を行い、『うつろいの標本箱』の制作秘話や、それぞれの印象などを語り合ってもらった。 ――『うつろいの標本箱』の企画はどのように始まったんですか。 鶴岡慧子(以下、鶴岡):2014年の初めに、プロデューサーさんから黒木渚さんの『標本箱』をいち早く聴かせていただいて、これをモチーフに映画を撮りませんかというお話をいただいたんです。徐々に準備を進めていく中で、早い段階で百ちゃんの出演は決まっていて、夏に入るぐらいのタイミングで他の出演者のオーディションを始めました。 櫻木百(以下、百):私はプロデューサーさんからお話をいただいて、最初は面接みたいな形で鶴岡監督にお会いしたんです。 ――初めて会った時の印象はいかがでしたか。 百:「若い!」と思いました(笑)。 鶴岡:監督に見えないよね(笑)。私はアイドルをやられている方にお会いするのが初めてだったので、「おー! 頭小さい」って感動しました。その時点で百ちゃんには参加してもらおうと決めていたんですよね。 ――映画を制作するにあたって、映像演技ワークショップも行ったんですよね。 鶴岡:オーディションで選ばれた14人に百ちゃんも加わってもらって、5日間に渡ってワークショップを行いました。 ――音楽をモチーフにして脚本を書くのは大変じゃなかったですか。 鶴岡:音楽から受け取ったものと、映画だからできることなど、いろんな条件を合わせながら脚本を書くのは大変でしたけど、自由にやらせていただいたので楽しかったですね ――黒木さんは自分の曲が映画のモチーフになると聞いて、どんな感想を持ちましたか。 黒木渚(以下、黒木):制作しているとは伺っていたんですけど、実際に映画が完成するまで、どんな内容になるか全く知らない状態で待っていたんです。鶴岡監督とお会いしたのも、つい最近なんですよ。ただ私は自分の出した作品の意味付けはお任せ派なので、「ここのシーンは意味を捻じ曲げないでくれ」みたいなのが全くなくて、すごく楽しみでした。 ――鶴岡監督は黒木さんのライブを観たことはあったんですか。 鶴岡:脚本を書く前の段階で、観客として観にいかせていただきました。その時点では、どういうキャストさんが集まるのかも分かっていなかったんですよ。何となく私の中でボンヤリした方向性を決めていたんですけど、最初は二十代がメインの物語にしようかなと思っていたんです。でもオーディションをしてみたら三十代寄りのキャストさんがいいなと思いまして、内容は大人な感じにシフトしていきました。
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『標本箱』を、どんな思いで制作したんですか
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『うつろいの標本箱』
2016年10月29日からユーロスペース(東京・渋谷)でレイトショー公開
監督:鶴岡慧子
出演:櫻木百、小川ゲン、赤染萌、小出浩祐、橋本致里、佐藤岳人、illy、佐藤開、岡明子、伊藤公一、大森勇一、森田祐吏、小久保由梨、今村雪乃、渡辺拓真
製作・配給:株式会社タイムフライズ
エンディングテーマ:「テーマ」黒木渚(ラストラム・ミュージックエンタテインメント)
2015年/日本/DCP/95分/カラー
公式ホームページ http://hyohonbako.com/
標本箱

まるで映画のような舞台のような音楽。様々な女の物語が詰まった待望の1st full album 完成!

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