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プロレス歴、2年2か月。ジェイク・リーの葛藤【最強レスラー数珠つなぎ vol.3】

――いまの目標は? ジェイク:NEXTREAMというチームがいま4人になったので、その中で一番強くなろうと思っています。いつまで経っても健斗さんが隣にいないとなにもできない選手になるのはイヤなので。それはお客さんのためでもあるし。けど、一番変わったのはそこなんですよ。自分のためにという感情がどんどん芽生えてきたんです。いままでは周りがいるから、周りのお陰で、周りのためにと、全部人任せだったんですよね。けどそこに、自分の感情が宿ったというか。このままでいいのか。せっかくここまで来たのに、お前は自分の意志を持たないのか。どうせやるんだったら、隣にいる三冠チャンピオンを超えてやるっていう気持ちでやらないと、ここに戻って来た意味がないぞ、と自分に言い聞かせています。 ――これからどんなレスラーになりたいですか。 ジェイク:「こいつ、なに考えてるんだろう?」っていう選手になりたいです。強い人がいる、大きい人もいる、楽しさを表現する人もいる、「明るく楽しく激しく」という全日本の三原則を見せている人もいる。その中で自分が、より目立つためになにか奇抜なことをしなくちゃいけない。「たまにこいつ、ヘンなことやるよな。でもこいつ、なんかすごいよな」と思われたいですね。締めるところは締めるけど、緩いところは緩い。そんな風になりたいです。 ――では、次の最強レスラーを指名していただけますか。 ジェイク:崔領二選手です。自分と同じ蹴りを使うファイトスタイルという部分で、特別な感情があります。長身で、決してパワーでガツガツいかずに、一発ですべての流れを変える蹴りという武器を持っている。あとは選手以外の部分でも、ランズエンドという団体を立ち上げて、同じプロレスラーとして尊敬しています。 ――ジェイク選手にとって、強さとはなんでしょうか。 ジェイク:僕が聞きたいくらいです(笑)。毎日、強さってなんだろうと思いながらやっています。物理的な強さだったり、気持ち的な強さだったり、強さにもいろいろ種類があるじゃないですか。ひと言で言うのは、すごく難しい。けど、その中でも崔領二という選手を僕が選んだ理由の一つは、いままでにないものにチャレンジしているからです。起業することと選手を並行してやるのがどれだけ大変なことか、見ているだけでも分かります。  器用な選手ではない。苦悩や葛藤がありありと見えてくる。その人間臭さが、ジェイク・リーという選手の魅力であり、強さだと感じた。観る側が、自分と重ね合わせることができる。それはプロレスラーにとって大きな武器であると思う。ジェイク・リーは決して、背が高いだけのレスラーではない。紆余曲折ありながら、「いま、プロレスが好きです」と真っ直ぐに話す彼の眩さに、早く世間が気づいてくれることを願う。 【PROFILE】 ジェイク・リー/全日本プロレス所属。’89年1月19日、北海道北見市生まれ。本名、李在炅(り・ちぇぎょん)。高校在学中にウェイトリフティングを始め、平成国際大学在学中、全日本選手権5位入賞。全日本プロレスからスカウトを受け、’11年1月に入団するも、同年10月に引退。総合格闘技を経て、’15年5月にプロレス再デビュー。ユニット「NEXTREAM」に所属し、宮原健斗のパートナーとしてメインイベントにも出場。短いキャリアながら、192cmという長身を生かした高角度バックドロップなどで会場を沸かす。 <取材・文/尾崎ムギ子 撮影/安井信介>
尾崎ムギ子/ライター、編集者。リクルート、編集プロダクションを経て、フリー。2015年1月、“飯伏幸太vsヨシヒコ戦”の動画をきっかけにプロレスにのめり込む。初代タイガーマスクこと佐山サトルを応援する「佐山女子会(@sayama_joshi)」発起人。Twitter:@ozaki_mugiko
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■【カーベル presents 全日本プロレス in 両国国技館】 東京・両国国技館
【開催日】2016年11月27日(日)
【開場時間】13時30分
【開始時間】15時00分
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