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輸入車ディーラーのセールストークに見る 「営業テクとナンパテクは一緒」理論

 ビジネス書でナンパを営業に例える話をよく見るが、実際に共通点はあるのだろうか。過去、日刊SPA!に何度も登場しているサラリーマンナンパ師である山本伸太郎氏(27歳・仮名・建築営業)に話を聞いたところ、先日自動車を買いに出かけた際、ディーラーのセールストークに既視感を覚えたという。

サラリーマンナンパ師の山本氏

「驚きました。僕がいつも女性に使ってる会話の流れを彼はほぼ完璧にトレースしていたからです。あとから知りましたが、その営業マンは過去にほかのディラーから引き抜かれたやり手営業マン。けっきょく、人の心をつかむテクニックはどんな立場だろうが変わらないのかもしれません」(山本氏)  では、営業マンとナンパ師はどの点でシンクロしているのか。具体的に会話の一部始終を振り返ってもらい、解説してもらった。

1:肯定の言葉を引き出すYESセット

 元々輸入車が好きで、今回は外国メーカーのX(※頭文字ではない)に乗ろうと思い、車を見に出かけ山本氏。Xのブースを訪れて、まずディーラーからかけられた言葉は「お車、お好きなんですか?」「今日はいろいろ見てらっしゃるんですか?」のふたつだった。 「この問いかけは、SPA!でもおなじみの恋愛工学でいうところの“YESセット”ですよね。こちらが『はい』としか言えない質問をして、肯定させるコミュニケーションを続けて、徐々に親密になっていく、という仕掛け。ビールを飲んでるコに『ビール好きなの?』と聞くのと一緒です。既に車を見に来ている以上、当然車は好きなはずだし、どうせ店まで来たんだから、ひとつのディーラーだけ見るはずがないですよね。初対面から打ち解けるための効果的なジャブとして機能しています」(山本氏)
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一部肯定→ディス「レクサスもいいですよね。ただ…」
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