ほんとにシニガミなの?――連続投資小説「おかねのかみさま」

みなさまこんにゃちは大川です。

『おかねのかみさま』56回めです。

今回は六本木SLOW PLAYで書いてません。

※⇒前回「オナカスイタ」


〈登場人物紹介〉
健太(健) 平凡な大学生。神様に師事しながら世界の仕組みを学んでいる
神様(神) お金の世界の法則と矛盾に精通。B級グルメへの造詣も深い
死神(死) 浮き沈みの激しくなった人間のそばに現れる。謙虚かつ無邪気
美琴(美) 普通の幸せに憧れるAラン女子大生。死神の出現に不安を募らせる
村田(村) 健太が師と崇めるノウサギ経済大学の先輩。元出版社勤務
ママ(マ) 蒲田のスナック「座礁」のママ。直球な物言いが信条
学長(学) 名前の由来は「学長になってもおかしくない歳のオッサン」の略
店長(店) 健太が働く蒲田の居酒屋「リグレット」の店長。事なかれ主義

〈第56回 タオルケット〉
——-0:06 京急蒲田駅
「デンシャ、オワリ?」

「川崎行きの各駅停車が参りェス」

「イミナイ。トッキュウナイノ?」

「金沢文庫行きがゴザイェス。」

「ソッチジャナイノ…」

「き」

「キ?」

「黄色い線の内側までお下がりくだシェ」

「ソレモソウネ」

「おそれいりェス」

「ハー」

「駅前に、漫画喫茶がいろいろアリェス」

「ミブンショウナイノ…」

「…」

「…」

「始発が5時からアリェス」

「…ソコデネテイイ?」

「ダメ」

「ケチ」

「ゴメン」

「オセワニナリマシタ」

「お力になれず恐縮でゴザイェス。」

「……」

……

トボトボ

「ハー。オナカスイタ。ア。ソウダ…」


——-0:39 居酒屋リグレット

—-ウィーン


「いらっしゃいませ!!!あの時もう少しだけ勇気を出して一歩踏み出せたとしたら!いまごろはもっとこうだった!居酒屋リグレットへようこそ!何名さまですか!?」

「ケンタ、イル?」

「ケンタ? あぁ、健太ですね。今日は早上がりして、たぶん座礁に行ってるんじゃないかと」

「ザショウ」

「はい。スナックです。すぐそこの角曲がったとこにあります」

「スナック」

「はい。オカマのママがやってるカラオケスナックです」

「アリガト!」
—-ウィーン

トコトコトコ

——カランコロンカラー♪

「いらっ!…しゃい…ませ…?こちらはじめてかしら…」

「イラッシャイマシタ」

「!!!しにがみさん!」

「なに?」

「キチャッタ♡」

「キチャッタ♡って!ちょっと!え!どういうこと!ぼく!また!波乱万丈の人生を歩みはじめるってこと!? え? どうしよう!こころの!準備が!」

「うるせぇ」

「すいません」

「そうか、けんたくんのご友人か。こちらのカウンターの真ん中へどうぞ」

「アリガト」

「しにがみさん、カウンター登れる? 手伝おうか?」

「ウン」

ヨジヨジヨジヨジ

「アリガト♡」

「やだ…なんか…かわいい…」
「今のは…よかったな…」
「あぁ。見事じゃ」

「なに飲むかしら? おなかすいてる?」

「ンー、ダイジョブ」

「すいてるでしょ」

「ウン」

「わかった。なんかつくったげる。ちょっとまってて」

「これ、俺の鏡月でよかったら飲みなよ。名前なんていうの?」

「ガミチャンデス」

「ガミちゃんか。俺むらた。汚ねぇ店だけど、ゆっくりしてってな」

「アリガトムラタ!」

「おう」

「わたしは学長。学長になってもおかしくない年齢の教授を略して学長健太くんと村田の学校の先生をしています。よろしく」

「ヨロシク!」

「でもしにがみさん、どうしたの? なんでここにいるってわかったの? いままでどこ行ってたの? ひとり? かみさまは?」

「ンー」

「焼きうどんよー」

「ほらガミちゃん、これがこの店の焼きうどんだ。うどんを炒めながら、タマネギも入れて、コショウで味を整えつつ、ある程度水分が飛ばないように焼き上げる。最後に醤油をからめつつ、固めの鰹節をドバーっとかけると2分で出来上がるんだ。肉がないんだけどな。だがそれがいい」

「オイシソウ…」

「簡単だけどね。まだまだあるからたくさん食べて♡」

「ウェーイ!!!」

ガツガツガツガツ

「おいしい?」

「ウン!」

「今日はまたどうしてこちらへ?」

「デンシャ…」

「でんしゃ?」

「ナクナッタ…」

「いちいちかわいいわね…」
「あぁ…」
「まったくだ…」

「じゃあ!ぼくのところに泊まりなよ!死神さんが使ってたタオルケット!あれまだあるから!ね!」

「アリガト♡」

次ページ「あのー」


※連続投資小説「おかねのかみさま」第1回~の全バックナンバーはこちら⇒

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