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希望の星は16歳のJK! ジャッジ次第で天国と地獄[五輪最恐の採点競技]とは?

 もちろん10メートルの台のほうが高いぶんダイナミックな技も可能となりますが、板飛込も板がしなるので、飛び込む前にはかなりの高さまで上昇します。6メートルから7メートルくらいまでは到達するでしょうか。そのおかげで、宙返り回数やひねり回数で大きく見劣りはしない、ダイナミックな演技が可能となります。

10メートルの台から落ちる高飛込は、見ているだけで怖くなる!

板飛込では、板から大きく跳びあがって、こんな高さまで到達!

 飛込は台から飛び込んで、美しく入水する技術を競う競技です。その順位は5人~7人のジャッジの採点によって決まります。ジャッジは空中での姿勢や、入水の美しさなどを判定して得点をつけます。5人ジャッジ制でも7人ジャッジ制でも、「低い点のジャッジ」と「高い点のジャッジ」のジャッジを除外した「真ん中の3人ぶん」の採点を合計し、それに実施した技の難易率(難しい技ほど高い)をかけて、その演技の得点とします。(ちなみに、シンクロ競技ではジャッジの人数がさらに増え、9人から11人のジャッジの「真ん中5人ぶん」の採点を採用)

プールサイドで真剣に演技を見つめるジャッジたち

 ジャッジの採点は0.0点~10.0点までを0.5点刻みでつける方式です。7.0点以上だと「いい演技」で、8.5点を超えるようだと「素晴らしい演技」といった扱い。難易率は3.0がひとつの目安となり、世界で上位を争うような選手はそれを超える技を繰り出してきます。難易率3.0の技で、全ジャッジが8.5点をつける演技だと、その演技の得点は76.50点となります。この辺りが勝負するうえでの最低ラインとなり、メダルを争うような選手ともなれば難易率が3点台中盤の技で9.0点平均程度の採点を受けて、90.00点を超えるような得点をマークします。 飛込において特徴的なのは、この得点のバラつきが非常に大きいこと。  同じ五輪の採点競技でも、体操ならば「13.000点~16.000点」くらいの幅で大体の演技がおさまります。しかし、飛込はジャッジのつける採点の幅が非常に大きく、ちょっと入水が乱れただけで4点台や5点台の演技になることも。さらに、踏切時の姿勢がまずかったり、入水時の角度が悪かったりすると、2点台という採点もポンポン出ます。同じ難易率の技でも、9点台の出来栄えと4点台の出来栄えでは、40点から50点もの差が生まれるのです。
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すべての演技の合計点で順位
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