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なぜアメリカ国民は暴言王・トランプに“賭けた”のか?――「メリー・クリスマス!」が言えなくなったアメリカ社会の窮屈さ

イギリスの「EU離脱」の悪夢の再来

 今回の大統領選挙で、多くの人は6月のイギリスのEU離脱の国民投票を思い出されたのではないだろうか。  イギリスがなぜEUから離脱したのか。6月のあの日、あの時間まで世界中の多くの人たちは、多くのイギリス国民でさえ、離脱するとは露ほども思っていなかった。だが、国民投票の結果を伝えるニュースを見て、世界は仰天した。  しかし、それは歴史的な文脈で見ればおかしなことではない。グローバリズムの限界、例えば、移民を受け入れるかどうか、これはグローバリズムの中でも非常に重要な問題である。そのことで、ヨーロッパの国々が、非常に混迷と困窮と不安の中にいる。その現実を目の前につきつけられたときに、特に大英帝国の興亡を知っている年代のお年寄りたちは、いいじゃないか、なんでEUなんかに入ってほかの国の面倒を見たり移民の受け入れなど考えなければならないのか。  イギリスが繁栄したらいいのだ、とトランプ氏の支持者とまったく同じ文脈からイギリスはEUを離脱したのである。  これらの出来事は何を指し示しているのか? それは「グローバリズムの限界」ということである。
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「メリー・クリスマス!」が言えなくなったアメリカ社会
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