アリファン脅迫事件、交渉の行方――連続投資小説「おかねのかみさま」

みなさまこんにゃちは大川です。

『おかねのかみさま』57回めです。

今回はこのあと六本木SLOW PLAYに向かいます。

※⇒前回「タオルケット」


〈登場人物紹介〉
健太(健) 平凡な大学生。神様に師事しながら世界の仕組みを学んでいる
神様(神) お金の世界の法則と矛盾に精通。B級グルメへの造詣も深い
死神(死) 浮き沈みの激しくなった人間のそばに現れる。謙虚かつ無邪気
美琴(美) 普通の幸せに憧れるAラン女子大生。死神の出現に不安を募らせる
村田(村) 健太が師と崇めるノウサギ経済大学の先輩。元出版社勤務
ママ(マ) 蒲田のスナック「座礁」のママ。直球な物言いが信条
学長(学) 名前の由来は「学長になってもおかしくない歳のオッサン」の略
美熟女(熟) 美琴が働く銀座の高級クラブ「サーティンスフロア」のママ
沼貝(沼) 杉ちゃんの先輩ベンチャー経営者で株主。脅迫事件の対処に勇躍
薄井(薄) 「アリファン」創業メンバー。アリンコの著作権に3億円要求
杉ちゃん(杉) ITベンチャー社長。ヒットアプリ「アリファン」を運営

〈第57回 すき焼き御膳〉

——-スナック座礁

「今日はまたどうしてこちらへ?」

「デンシャ…」

「でんしゃ?」

「ナクナッタ…」

「いちいちかわいいわね…」
「あぁ…」
「まったくだ…」

「じゃあ!ぼくのところに泊まりなよ!死神さんが使ってたタオルケット!あれまだあるから!ね!」

「アリガト♡」

「あのー」

「ハイ」

「ガミちゃんてさ、健太からいろいろ話はきいてるんだけど」

「ハイ」

「ほんとにシニガミなの?」

「ソウネ」

「じゃあ健太これから死ぬの?」

「ンー」

「村田さんちがいます。死神さんは人生のボラティリティが上がっちゃいそうな人の前に現れるんです。つまり、刺激的で、前向きで、積極的な人生を送りそうな人の前に突然あらわれる。中には荒波に飲まれて死んじゃうひともいるのかもしれませんが、死神さんが来たからといってみんなが死んじゃうわけじゃないんです。これ、死神さんが出て行くときに僕に残していった手紙です。見てください」

⇒「第12回 死神さんが健太に伝えたかったこと」

「くはーーーーーーー。健太おまえすごいじゃん。ほんとか? これ」

「えぇ」

「…」

「だから、最近はバイナリだかパイナリに騙されてた僕も、こうやってシニガミさんが来てくれたからには、またポジティブでアクティブでゴージャスな人生が再開していくというわけです。ね、シニガミさん」

「…イエ…コンカイハ…」

「え」

「デンシャガ…」

「今回は電車がないから来ただけだということですな」

「ハイ…」

「じゃあダメじゃん」
「ダメね」
「ダメじゃないけど、これぞ健太イズムじゃな」
「えぇ」

「そんなぁぁああ、僕がんばるからこれからもずっといてよーーーね。ね。ね」

「シゴト…」

「仕事?」

「シゴトアルノ」

「仕事って、なに?」

「ギンザ」

「ギンザ!?」

「エェ」

「ぎんざって、なにしてるの? 占いかなんか?」

「ンー、ボウイサン?」

「ぼういさん?」

「ボウイさんって、クラブとかキャバクラのフロアでテキパキ動いてる黒服のことだよな?」

「ソウソレ」

「あらやだすごいじゃない。あたしと同業じゃない。焼きうどん、もっとたべる?」

「イタダキマス!!!」

「ボウイさんって、しにがみさん、なんでまた?」

「ハナセバナガクナルノ…」

「いいじゃねぇか健太。久しぶりに会ったんだろ。あれこれ聞くまえにグッと乾杯しとけよ。なぁガミちゃん」

「ムラタイイヤツ」

「わかってるねぇ。じゃ、乾杯」

「ウェーイ!!!」

————
——


同日 0:45 銀座 サーティーンスフロア

「アフターいけるひとー!!!」
「みんな行けるわよね♡」

嬢ABC「はーーーーーーーーーーーーーーい♡」

「沼貝さん、僕はもう今日はここで、明日があるんで」

「またまたウッスー!せっかくお友達になれたんですから、なにも心配いりません!ウッスーの気持ちも僕がよーくわかりましたから。もうだいじょうぶです。このあとカラオケでも行って、僕らの未来のために盛り上がりましょう!」

嬢ABC「キャー♡♡♡」

「いや、でももうぼくほんと、飲み過ぎちゃいましたから…」

「いいのいいの!たまには!ぬまぬまにお任せして!」

嬢ABC「キャー♡♡♡」

「…」

「じゃ、ちょっとだけ行きましょう!全員起立!!!」

嬢ABC「はーーーーーーい♡♡♡」

————
——


次ページ翌日 10:50 アリファンカンパニー


※連続投資小説「おかねのかみさま」第1回~の全バックナンバーはこちら⇒

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