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WWEがターナー・グループとWCWを提訴――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第228回(1996年編)

 ジェリー・マクデビットWWE顧問弁護士とデビッド・ダンWCW顧問弁護士は6月24日、コネティカット地方裁判所で約2時間の審問をおこない、ピーター・ドロシー裁判官は7月第2週に大陪審(予審)をおこなうことを両者に通告した。  WCW側のダン弁護士が「過去3年間で41人のプロレスラーがWWEおよびWCWから他団体に移籍し、そのうちの28選手までが2団体以上のリングで同一のリングネーム、同一のキャラクターを使用し、その知的所有権が裁判で争われた実例は一件もないこと」を主張すると、WWE側のマクデビット弁護士は「ナッシュをヴィニー・ベガス、ホールをダイヤモンド・スタッドとしてキャスティングすれば問題はない。しかし、WCWは視聴者をダマす目的で“ディーゼル”と“レーザー・ラモン”をWWE所属タレントとして同社のテレビ番組に出演させた」と指摘した。  ドロシー裁判官はダン弁護士に対し「WCWが今後、まぎわらしい映像を使用しないこと」を忠告し、マクデビット弁護士には「7月の(WCWの)PPVの番組内容について再び同様の告訴をしないこと」を約束させようとしたが、マクデビット弁護士はやんわりとこの提案を拒絶した。WWEとWCWのドロ沼の法廷闘争がついにはじまったのだった。(つづく)
斎藤文彦

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