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少子高齢化で起こる「墓余り現象」…もっとも現実的な実家のお墓の片付け方は?

 意外と知らない通夜やお葬式でのマナー、業界の裏事情を綴った今、注目のサイト「考える葬儀屋さんのブログ」。「ライブドアブログ OF THE YEAR 2015」にも選ばれた同サイトの管理人・赤城啓昭氏に聞いた、恥をかかない今のうちに知っておきたいお葬式の常識とは――。人気連載の第13回をお届けします。  「考える葬儀屋さんのブログ」管理人の赤城啓昭と申します。  突然ですが、30~40代の男性・女性の皆さんのなかには「健在だけど結構な年齢の親がいる」という方も多いのではないでしょうか。 皆さん(の実家)は、お墓をお持ちですか? お墓がなくて困っている人は多いのですが、今回はお墓があってもそれなりにやっかいというお話です。

少子高齢化で「墓余り現象」が起こる

 お墓をお持ちの方に聞ききますが、そのお墓、おそらく現在は親御さんが持ち主になっていると思うのですが、将来誰が跡を継ぐか決まっていますか? 兄弟が継ぐ、とか俺はこの地元で生まれて死ぬまで地元いるのだという方の場合、問題はありません。でも、そうではないケースの方も多いのではないでしょうか?  戦後7000万人に過ぎなかった日本の人口は現在、約1.8倍になりました。新たに自分の墓を購入したベビーブーム世代が亡くなってしまうと、少子高齢化の結果、当然「墓余り現象」が起こります。  私の場合、両親はすでに亡くなっており、地元も離れています。実家の墓地は終活のプロである私にとっても頭の痛い問題です。 数か月に1度帰省して、雑草の生い茂った墓地の清掃をしては帰る、ということを繰り返しています。しかし、いつかは「結論」を出さなければいけません。

もっとも現実的な実家の墓の片付け方は?

 一番理想的なのは実家の墓は処分して、自宅近くに買った墓に遺骨を移動する(墓の引越し)という方法でしょう。ただし、いろいろと困った問題が発生します。  まず新しく墓を買うといっても都市部なら墓石を含めて軽く200万円を超えます。おいそれと買える値段ではありません。  なんとか新しい墓の購入の目処が立っても、実家の墓を処分する段階になって、墓の管理者であるお寺がすんなりと同意してくれるとは限りません。前述したように人口が減っている現在、檀家が減ると寺の収入が減るのは確実だからです。  このあたりの取り決めは、御布施の金額と同じでグレーゾーンなのですが、お寺によっては高額な解約料(離檀料と言われる)を請求してくる場合もあります。「えっ、お墓を“買った”のに、手放す時にお金を取られるの?」と、思われる方もいるかもしれません。しかし、お墓を買うことはできないのです。
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お墓はなぜ買うことができないのか
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