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漫画研究会に舞い降りた天使?悪魔? 次々と男を乗り換える女【サークルクラッシュ事件ファイル③】

 一人の異性を巡る恋愛によって、集団の人間関係が悪化する現象を「サークルクラッシュ」という。誰もが「あ~いるいる、そういう女」と思い当たる、青春ドラマにはおなじみの設定だが、そんな「サークルクラッシュ」現象を大真面目に研究している同好会が京都大学に存在する。代表が「現代社会の病理」とまで主張する、この現象の背景と問題点とは何か? 短期集中連載、第4回。 サークルクラッシュ

サークルクラッシュ研究~第4回~

 前回前々回と、奔放に振舞って男たちを振り回す女・加奈子について書いてきた。同時に、振り回される男たちの愚かさや、集団の脆弱さについても述べた。  しかし、「クラッシャー」と呼ばれる女性も、加奈子のようにいつも倫理観を欠いているわけではない。「同時に複数の人と付き合ったり性的関係を持ったりしてはいけない」という意識があったとしても、クラッシュを引き起こしてしまうことはあるのだ。今回は、加奈子とはまた違ったタイプの「天真爛漫な」女性・里奈(りな)を巡るクラッシュについての事例を紹介しよう。 ――――― 【登場人物】漫研部員たち。クラッシャーの男5人:若松、八代、広橋、藤山、高本  これはある大学の漫画研究会(通称「漫研」)の話。漫研は主にイラストや漫画を描く人が入るサークルだが、結果的には漫画に限らずアニメやゲームなどのインドアな趣味を持った人たちの集まりになる。大学のサークルでは4月から5月にかけて、大学の新入生を歓迎する(新歓)。 2013年4月24日(水)「ある漫画研究会の食堂での新歓にて」 「それでは部室に移動しまーす!」  その日来た新入生への年間の活動内容の説明が終わり、漫研部員たちは部室に移動し始めた。帰る新入生は帰り、まだ居たい新入生は先輩と一緒に部室に移動する。  漫研の二年生の若松は新入生の里奈と話していた。 「俺はpixivってサイトで自分の描いた絵、投稿しててさ。里奈ちゃんは何か――」 「pixivやってるんですか! 私もやってます! すごい! 高校にそんな人いなかったから嬉しいです!! 私、ゲームのイラストとか好きで、最近は東方の絵とか描いてて、東方だと魔理沙がすっごい好きなんですよ!! 自由なんだけどちょっと女の子っぽいとこもあるっていうか――」  里奈は若松が言い終わる間もなくハイテンションで話し始めた。若松はそれに対して「変な子だな」とは思ったが、自分と同じようにpixivを利用して描いている女の子だったため、嬉しく思った。  その後、里奈は漫研に入部した。里奈は小動物のような動きをする女の子で、良く言えば「天真爛漫」という言葉が似合う無邪気で天然という感じだった。悪く言えば、空気を読まずに自分の話ばっかりするタイプの子だったのだが、可愛げがあり、部員の多数を占める男オタクたちとも趣味が合う感じだったので、漫研の一部の男たちとは仲良くなり、打ち解けていった。とりわけ若松とは仲良く喋っていた。
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5月22日(水)「部室にて」
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