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女優・小芝風花が人見知りだった頃を告白「猫10匹くらい被っていました(笑)」

 8月5日(土)午後3時5分からNHK総合で放送されるドラマ『ふたりのキャンバス』(※中国地方は8月1日午後7時30分から先行放送)は、広島市の高校で実際に行われている「原爆の絵」という取組みを題材に、女子高生・柳井里保(小芝風花)と被爆体験者である遠藤雄造(近藤正臣)との交流を描いた作品。今年二十歳になった彼女はこの作品を通じて何を感じたのか。本作がドラマ初主演となるヒロイン・小芝風花に話を聞いた。 ――この作品では「原爆」という重いテーマが描かれていますが、小芝さんとしてはどう受け止めて演じられましたか。 小芝:最初に熊野(律時)監督とお話しさせていただいたのですが、「主人公の高校生がどういう風に感じて、どういう風に動くのかが軸だから(作品を)重く捉えないでほしい」と言われたんです。少し気が楽になった反面、「原爆がテーマで重く捉えない、ということはどういうことだろう……」って、すごく悩みましたね。 ――今回演じた里保という役についてはいかがですか。 小芝:彼女は漠然と、将来への悩みを抱えて毎日過ごしているようなごく普通の高校生なんです。そんな彼女がクールな同級生の奏美(中村ゆりか)に憧れて友だちになろうとしたり、被爆者である遠藤さんとどう向き合っていったりするのかがとてもリアルに描かれているので、彼女の心の動きをぜひ一緒に感じながら見てもらえたらと思います。 ――非常に大きなスケールの質問ですが、世の中が「平和」であるために必要なものは何だと思いますか? 小芝:撮影に入る前、実際に被爆者の方にお話を聞きましたけど、私からは何も言えませんでした。それだけ重みのあることだと思いますし、軽々しいことは言えません。でも、被爆者のみなさんの証言をもとに高校生が描いた絵を見たとき、私はすごく「怖い」と感じたんです。 ――素直に感じた気持ちですね。 小芝:同時に「こんなことは二度と起こって欲しくない」とも思ったんです。みんな戦争なんてしたくないじゃないですか。被爆者のみなさんが語り継ぐ言葉や、高校生が描いた絵を通じて“恐怖”や“悲しみ”、そして“痛み”を知ることが、平和であるために必要なことの一つではないかなって私は思います。 ――ドラマでは社会的なテーマに加え、人と人とのコミュニケーションについても深く考えさせられました。小芝さんは人と人がわかり合うために必要なものは何だと思いますか? 小芝:それぞれの立場や関係性にもよりますけど、私自身は常に「みんなにとって楽しい現場にしたい」と思いながら作品に臨んでいます。もともとすごく人見知りなんですけど、なんとか克服して、スタッフさんとかにも積極的に話しかけてコミュニケーションをとるようにしているんです。撮影が終わった後でも「あぁ、あの現場は楽しかったな」って振り返ってもらえたらいいなって。 ――確かに、たとえ誤解されたとしても、何もしなかったら気持ちは相手に伝わらないですよね。 小芝:私を含め、人が本当にどんなことを考えているのかなんて本当にわからないじゃないですか。表向きならいくらでもつくれますし。でも、そこで「もういいや」と諦めるのではなく、わからないけどわかろうとする“一歩”を踏み出すことが大事なのかなって思います。そうして引き出された相手の表情や反応を受けて、自分がどうすればいいのかを考えることができますよね。 ――小芝さんも人間関係で悩むことはありますか? 小芝:悩みますよ! 自分の気持ちを人に伝えることが下手で、自分のなかで勝手に自己完結しちゃったりすることばっかりです。ちょっと不機嫌な態度を取られただけで「あ、私のこと嫌いや。もう仲良くなられへん!」って思い込んだり。でも、たまたま相手の機嫌や体調が悪かったのかもしれないじゃないですか。だからこそ直接気持ちを伝えたり、話し合ったりすることは大事にしたいんです。 ――コミュニケーションが苦手なタイプには見えないです。 小芝:人見知りだった頃は、“いい子”に見られたくて猫10匹くらい被ってる状態で、もう肩が重たくて(笑)。本当の自分を見せたとき「こんなコやったんや」って思われて「嫌われたらどうしよう」と考えてばかりでしたね。だったら最初から猫を被らなければいいみたいな! みたいな話ですけど(笑)。 ――ちなみに今は? 小芝:なんとか1匹くらいにまで減らしました(笑)。
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