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無理難題に「YES!」と言わせる 交渉術

◆人は論理だけでは動かない。訴えるなら情を使え!
荘司雅彦氏

荘司雅彦氏

 交渉術のテクはいろいろあるが、いざ人を前にすると緊張してしまう。果たしてどのような心構えで交渉に臨むべきなのか。『論理と心理で攻める 人を動かす交渉術』などの著書を持つ弁護士の荘司雅彦氏に聞いた。 「交渉で一番大切なことは、事前に『落としどころ』をちゃんと決めておくことです。理想や目標値ではなく、『ここまでなら妥協できる』というギリギリの着地点ですね。交渉事というのは、相手と自分の『落としどころ』のすり合わせですから、それが決まっていないと、当然交渉は円滑には進みませんよ」  例えばビジネスマンの場合、商品の価格、数量、納期など、さまざまな要素のなかでどれが優先順位が低くて、どれが高いのかをきっちり把握する必要があるということだ。では、より自分の理想的な着地点に、交渉を持っていくにはどうしたら?  「私が長年弁護士をやってきて一番痛感していることは『人は論理だけでは動かない』ということ。人は情や義理で動くものなんです。だからこそ、交渉相手と仲良くなることが大事。まずは『相手の話をよく聞く』ことです。そこで、相手は何が欲しいのか、ある程度予測する。仮に自分のほうが立場が上だったとしても、相手に伝わるので、絶対に上から目線はいけません!」  有利に交渉を進めたいのなら、相手は“友達”という感覚ぐらいがちょうどいいらしい。 「交渉は理屈ではなく、相手の立場になることが大事。有利に事を進めたいばかりに、自分の要求ばかりを突き付けては相手からはそっぽを向かれますよ」 「自分がされて嫌なことは相手にしない」という大原則が、交渉事においてはなにより大事ということだ。 【荘司雅彦氏】弁護士 弁護士時代の知識や交渉力を生かし、講演や執筆活動を行う。著書に『論理と心理で攻める 人を動かす交渉術』『3時間で手に入れる最強の交渉力』など 取材・文/渡辺恵理 齊藤武宏 藤村はるな 宮下浩純 吉岡 俊 横山 薫(本誌) 撮影/佃 大平 モデル/花純(アクシスプロモーション所属。ブログはhttp://blog.livedoor.jp/axis_kasumi/) ― 無理難題に「YES!」と言わせる 目からウロコの交渉術【13】 ―
論理と心理で攻める 人を動かす交渉術

「最先端の理論」と、「膨大な経験」が融合された交渉術

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