仕事

公務員の妻との年収格差で“家庭内孤立”した44歳・夫の嘆き「娘は口さえ利いてくれない」

―[下流中年の危機]―
中年の貧困化が止まらない。インフレなどで相対的な給与は減り続け、転職やリストラなどで非正規雇用への転落リスクも高まる40代。その先に待っているのは、社会的孤立という名の危機的状況だ。さまざまな要因で漂流する下流中年のリアルを追った!

妻との年収格差から父親としての威厳なし

――林 耕一さん(仮名・44歳)/フリーの広告マン/年収350万円 家庭内孤立 フリーの広告代理業を営む林耕一さんは「家庭に居場所がない」と嘆く。その背景にあるのは、妻との年収格差だ。 「私が就職活動をしていた’95年は超氷河期。どこからも内定をもらえず、仕方なく公務員を目指したんですが、それもダメでした。結局、広告マンの真似事をしながら、今まで生計を立ててきたけど、月に24万円を稼ぐのが精いっぱい。しかもフリーなので、不安定なんですよね。広告マンって聞こえはいいですけど、要は中年フリーターですから。それに比べ、公務員予備校で知り合った妻は、市役所の係長なので、年収は約800万円。よく『1人でも生きていける』と言われます」  できちゃった婚の林さんは、結婚時に年収が発覚して以来、妻を含めた妻側の親族から冷たい仕打ちを受けているという。 「妻の両親、妹からは私の低収入を白眼視されています。たまに妻の実家に遊びに行ってもお茶ひとつ出してもらえません。結婚を機に転職しようとしたんですが、すでに30歳だったので、どこも雇ってもらえませんでしたね」  この年収格差から結婚生活はうまくいっているとはお世辞にも言えず、10年以上セックスレスの状態が続く。家事の一切を父親である林さんが担当。11歳になる娘は最近、口さえ利いてくれない。 「朝夕は妻と娘が食べた後、こっそり一人、残り物を食べてます。いつ離婚をされるか脅える毎日です。月1万円のお小遣いと仕事でたまにもらうサービス券を金券ショップで換金し、安い風俗で憂さを晴らす。これが唯一の生き甲斐です」  取材後、「夕飯の買い出しに行かなければ」と喫茶店を出る林さんの後ろ姿はどこか寂しげだった。 ※写真はイメージです ― 下流中年の危機 ―
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