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一橋大大学院卒、30歳男たちの明と暗…現在無職、職業訓練校に通う日々

 30歳という節目の年齢。男性ならば、転職や結婚などを考えることもあるのではないか。独身OLであるわたしにとって、男性の学歴や収入、現在の仕事や将来性は大いに気になるところ。先日、合コン仲間の結婚式に出席した際、2人の男性が同じ一橋大大学院卒の30歳にも関わらず、対照的に見えた。今回はその明と暗を紹介していきたい。

ハイスペを活かし交際1か月で結婚

 最近、毎月と言っていいほどいっしょに合コンを開催していた男友だちが電撃婚していく。先日そのなかの1人、遊び仲間だった小川さん(仮名)の結婚式に出席してきた。新婦は、やはりコンパで知り合った23歳のゆるふわ女子だった。  彼はわたしよりも年上の30歳。一橋大学大学院卒業・外資系勤務・成田凌似というハイスペの持ち主。言わずもがな出会った頃から有名なモテ男だった。人生でモテない時期がないと自分で言い切るほど。だから、彼から結婚すると聞いたときは心底驚いた。  社交的で知り合いも多い彼は、わたしや学生時代の友人と夜な夜なコンパに明け暮れていた。しかし、同世代の飲み仲間はいつしか家庭を持ち、夜遊びもフェードアウトぎみに。そんな周りの流れに抗う理由も特にないため、じゃあそろそろ俺も……と結婚を決めたのだそう。しかし、まさかの交際1か月で結婚。やはり高学歴で高収入ならば、その気になれば結婚なんてちょろいものなのかもしれない。  新郎新婦との撮影タイムのとき、「君もそろそろ年貢の納め時じゃない?」なんて話しかけてきたが、彼の顔には「まだ遊びたい」という文字が大きく書かれていた。とはいえ、このまま幸せな人生を歩んでいくことに違いない。 結婚式

有名企業に勤めていたはずの男性が…

 一方で、同じ一橋大大学院卒の30歳でも心配したくなってしまうような危うい道を歩んでいる男もいる。結婚式の席次表には新郎主催の合コンで何度か会ったことのある男性の名前がちらほら。そのうちのひとりが加藤さん(仮名)だった。  彼は新郎・小川さんの一橋大大学院学時代の同級生で、2年前に開催された「わたしの仕事仲間×新郎の学生時代の友人」合コンで知り合った。そのときは、たしか人気ソーシャルゲームを手がける大手ゲーム会社の営業をしていたと言っていたような……。  結婚式や2次会で再会した男女が結婚するというのはよく聞く話。わたしが年貢を納めるのはこの人かな、なんてあざとい妄想をしながら、後日ふたりでごはんへ行く約束をした。まさか、加藤さんがこんな人生を歩んでいるとは知らずに……。 乾杯

30歳無職、職業訓練校に通う日々

 居酒屋に着いて、加藤さんが開口一番「普通の人と話すのは久しぶりだな」と言ってきたことに少し引っかかりを感じる。仕事関係以外の人と、という意味なのかもしれないと、都合よく解釈した直後に「実は今、無職なんだよね」と二言目が続いた。  加藤さんは一橋大学商学部に現役で入学し、大学院まで進学し卒業。当時、人気絶頂だったソーシャルゲームを扱う会社に入社した。営業に配属され、入社1~2年は、順風満帆な社会人生活だったという。  しかし、所属している企業は激化するソーシャルゲーム市場で苦境を強いられた。業績が悪化したとき、真っ先にカットされるのは人件費。彼が就職した時は、事業拡大のため大量に新卒が採用されていたため、人材が余りはじめる。開発を手がけるエンジニアは社内でも重宝されたものの、営業の加藤さんは、会社でお荷物扱いになり部署をたらいまわしにされた。 「会社で自分は必要とされてないのかもしれない。そんなことを思っているときに、ふと小さいころの夢が漫画家だということを思い出したんだよね」  当時29歳。恋人はおらず、結婚の予定もない。挑戦するなら今だ、と思った。退社の意を上司に伝えたとき、引き止められることはなかったという。「営業なんてそんなもんだ」。こうして29歳にして無職になった加藤さん。働きながらコツコツと漫画を描き続けるという考えはなかったのか? 「漫画を描く時間を確保したかったから、仕事はしたくなかった」  しばらくは退職金や失業保険で食いつないでいたが、当たり前に底は尽きる。そこで足を運んだのがハローワーク。ツッコミたいことは山ほどあるが、わたしはひとまず話を聞き続けた。
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ハローワークですすめられたのは“職業訓練校”
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