月読寺住職が教える『嫉妬に打ち勝つ方法』

原始仏教からみる嫉妬心 念を入れれば、嫉妬から自由になれる  他人を妬む感情は、仏教的にみれば「煩悩」のひとつ――。「『「自分」を浄化する坐禅入門』など、数々の著作で原始仏教の教えを説く月読寺住職、小池龍之介氏は説明する。 「好ましいものを見たり聞いたりしたものを受け入れられず、不愉快になる感情が『嫉妬』です。好ましいものが自分のダメさを意識させるので”見たくない””聞きたくない”と拒否して自分にストレスを与える。怒りの煩悩エネルギーと申せましょう。自分以外の人が高い評価を受けていると、相対的に自分の価値が下がったような気になってしまいます。人間は誰でも自分という商品の価値をつり上げたくて仕方がないもの。これを仏教用語で『慢』と呼びますが、この『慢』が強い人は、情報によって自我を刺激されやすく、自分とあまり関係のない人に対してまでも嫉妬して、不愉快になってしまうのです」  また、小池氏は、自分には「慢」なんてないつもりの人でも、瞬間的には必ず嫉妬を感じていると指摘。「あの人は自分と無関係だし」と強がる気持ち、あるいは、「嫉妬ではなく称賛だから」という言葉の裏にも妬みがある、と。 「ここにも『慢』は存在しています。『この私が嫉妬などという情けない感情を持つはずがない。尊敬し憧れているだけであって、これは嫉妬ではない』という屈折した『慢』が働き、『自分は良い人』という幻覚のために嫉妬を抑制しているだけです。嫉妬が外に向かわないだけで、嫉妬の煩悩エネルギーが内に込もって潜在的ストレス要因になります」 「嫉妬はいけない」などと無理に抑え込もうとしてもムダなのだ。 「そうした感情を『』でくくるようにし、『あ、自分は嫉妬している』と第三者の目で眺めてみましょう。『嫉妬してはいけない』と思ったら、その感情も捉えて『自分は嫉妬してはいけないと思っている』と『』にくくる。この技法を仏道では”念を入れる”と申しますが、このようにして意識を集中し、嫉妬を即座に客観化すれば、『嫉妬』と『嫉妬を観察する自分』とが切り離されて、煩悩ストレスは静まります」  嫉妬を抑制するのもストレス。己の嫉妬心とちゃんと対峙するのも大切なのだ。 ~嫉妬とは~ “慢”の欲から生まれる怒りの煩悩のひとつである 【小池龍之介氏】 ’78年生まれ。月読寺(東京都世田谷区)住職。’03~’07年まで、お寺とカフェを融合させた「iede cafe」を展開。その後、月読寺で修行を行ないながら、一般向けに坐禅のお稽古を行なう。『「自分」から自由になる沈黙入門』(幻冬舎)、『「自分」を浄化する坐禅入門』(PHP研究所)など、著作多数。 http://iede.cc/ ― [モンスター嫉妬男]職場で大暴れ白書【6】 ―
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