『釣りバカ日誌』新政権のダム建設凍結で会社に打撃。でも浜ちゃんは、やっぱり釣りに!

福岡ソフトバンクの「あぶさん」こと景浦安武が現役引退。そのニュースは新聞の社会面にも載った。20年、30年と続くマンガは、もはや単なるフィクションじゃない。が、あまりに長くてフォローしきれないのもまた事実。そんな長寿マンガの「今」を一挙ご紹介! 『釣りバカ日誌』 作・やまさき十三 画・北見けんいち 「ビッグコミックオリジナル」(小学館)にて連載中 ’79年連載開始 【作品解説】  中堅クラスの建設会社・鈴木建設に勤める「浜ちゃん」こと浜崎(はまさき)伝助は、三度の飯より釣りが好き。釣りで知り合い、弟子にした「スーさん」が実は自分の会社の社長だったと知ってもまるで気にせず、日々釣りのことばかり考えている。西田敏行主演の映画でもおなじみのサラリーマンマンガの大定番。 新政権のダム建設凍結で会社に打撃。でも浜ちゃんは、やっぱり釣りに!  仕事そっちのけで釣りばかりしているイメージの浜ちゃんだが、実は意外と仕事に関する描写も多い。新都心計画の鈴木建設代表、海外の開発事業への派遣、不良債権の処理など、キャリアは豊富だ。 「会社員として与えられた仕事はそれなりにこなしてるんですよね。釣りを通じて得た人脈が仕事に役立つこともある。でも、釣りをするヒマがなくなるのがイヤという理由で昇進を断るあたりは、島耕作とは大違い(笑)」(南氏)  最近では、鈴木建設に米国企業が敵対的買収を仕掛けたりといった、いかにも今風の展開も。 「現在は、新政権のダム建設凍結で打撃を受けた鈴木建設が、さらに社内の派閥争いでゴタゴタ中。でも、浜ちゃんは変わらぬマイペースで、敵も味方も区別なく釣りに誘ってゴキゲンです」(同) 【南信長氏】 1964年、大阪府生まれ。マンガ解説者。『朝日新聞』『アサヒ芸能』『月刊サーカス』でマンガ評連載中。著書に『現代マンガの冒険者たち』 ― 大長寿マンガの[今こうなってる事典]【9】 ―
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