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M-1準決勝進出でも「年収は5万円」…売れない芸人の笑えないリアル

 15%を超える貧困率(等価可処分所得が中央値の半分を下回る相対的貧困者の割合)が社会問題となっている日本だが、その予備軍の増加も深刻化している。“ほぼ貧困”状態にある[年収300万円家族]のリアルに迫った――
チャーミングじろうちゃんさん

チャーミングじろうちゃんさん

本業収入ほぼゼロ。夢追い型貧困の苦悩とは?

 困窮にあえぐ“ほぼ貧困”の家族の実態は様々だが、同程度の収入であっても、大きく事情が異なる面々もいる。ほんの一握りの成功を求めて、果てなき低収入生活を送るお笑い芸人家庭の貧困事情とは? 「僕らの世界では年収300万円なんて全然稼いでいるほうですよ」  そう強調するのはチャーミングじろうちゃんさん(41歳)。’04年にチャーミングというコンビを結成するも今春に解散、ピンとして再起を図るアラフォー芸人である。 「お笑いは全然お金にならないですし、バイトもロクにやらず、ほぼ無収入で周りにタカっている奴もザラですしね」  ピン芸人としてはまだ実績がなく、お笑い関連の収入も皆無。それどころか、持ち出しで活動をしているじろうちゃんさん。しかし、コンビ時代はキングオブコントで2回、M-1で1回それぞれセミファイナリストに食い込むなど一定の実績は残してきた。 「今や賞レースは優勝しても大して売れないので、僕らレベルではまったくお金につながりません。キングオブコントで準決勝まで行った年が芸人としての収入がマックスだったんですが、そのときで5万円ですからね。月5万円じゃないですよ! 年で5万円ですからね。『あらびき団』とかキー局の番組にも呼んでもらいましたが、ギャラはせいぜい5000円とかです。事務所と折半で残り2500円、相方とさらに折半して1250円、そこから源泉が引かれて……マジの話なんですよ?」  そう嘆く彼だが、’12年に結婚した妻との間に第1子が今年8月に誕生。幸せを実感する一方、家族の将来への不安は日増しに大きくなっているという。
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自分より上の先輩がブレイクし諦められない
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