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内部被曝検査後のスピリチュアル治療に注意!

福島県で「髪の毛から内部被曝がわかる」として検査を行っていた業者が「詐欺の疑い」で注意を受けた。だが、これは氷山の一角にすぎず、「内部被曝検査」をエサに、放射線に怯える人たちを騙す悪徳業者は後を絶たない。彼らの不可解な検査方法とその手口とは? ◆ホールボディカウンター検査後に勧められる非科学的な治療法!
WBC

WBCは検査精度が高いものの、環境放射線物質の遮蔽が難しいのが弱点だ

 子供の内部被曝に警鐘を鳴らし、給食検査を提唱する東京大学大学院・早野龍五教授によると「内部被曝検査として確実なのはホールボディカウンター(以下WBC)。まだ子供の検査精度に若干の問題は残っていますが、きちんとしたWBC検査なら数Bq/㎏の放射性セシウムまで検出できます」とのこと。  だが、現状で最も確実性の高い内部被曝検査機器ですら、悪質なビジネスに利用されている。  福島県民を対象に、WBC検査を行ってきた医療関係者のG氏は、そのWBC検査業者に憤る。 「事故直後の現地の人間を測るならわかります。でも、事故から1年たとうとしている今、しかも被災地外の人間を測定しても意味が全くないし、数値が検出されるわけがない。もし数値が出たとしたらバックグラウンド(検査環境周辺の放射線)か、カリウム40など人体にもともとある放射性物質を検出してしまっただけ。これはほかの内部被曝検査にも言えるが、現地から遠く離れた人を検査して、測れないものを測ってカネを取る。それだけで悪質な行為です」  とはいえ、不安を抱える人の内部被曝検査をし、安心を与えてくれるならいい。だが、悪質な業者の問題点は検査後の「健康指導」にある。  例えば、ある業者はキレーション(有害金属の体外排泄を促すキレート剤を使う治療)注射・点滴、和漢療法による健康増進を推奨している。 「確かにセシウムの吸収対策にキレート剤が使用されることはあるが、この業者の言う点滴ではなく、経口カプセル。ストロンチウムには『除去剤を処方』とあるが、ストロンチウムを取り込んだ場合、骨の代謝が盛んなところに局在し、余分なものは8時間で95%が尿で排出されます。一度骨に取り込まれてしまった物質は薬では取り除けないし、そんな薬があれば原発作業員が使用している。デタラメもいいところです」(G氏)  さらに、この業者の診療項目にはスピリチュアルの類であるレイキヒーリングや悪評高いホメオパシーの派生であるアイソパシーの文字が。どれも科学的根拠に乏しいものばかりだ。  実際に検査を受けた人間からは「WBC検査後に、頭に金属の輪をはめられて“気”を測定された」という声もある。  この業者は一体何を検出し、除染しようとしているのか。ちなみに電話で問い合わせてみたところ、一回の検査費用は9項目の精密検査で2万5000円、予約は2週間先まで埋まっているという。 ― 内部被曝[悪徳検査ビジネス]の手口をバラす!【1】 ―
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