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【内部被曝検査】定期的受診が効果的

― ジャーナリストとしても活躍する吉本所属の夫婦音曲漫才コンビ・おしどりが語る ― ◆検査で「傾向を知る」ことが重要
おしどり

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 私たち自身、2011年に、尿による内部被曝検査を行っているある検査業者に取材をしたことがありました。当時、この業者は「福島県内の総合病院を技術支援して子供を対象に無料で尿の放射能検査を行う」としていました。  しかし、病院に確認したところ、そのような事実はなく医師の一人が仲介しているだけという内容でした。その後も検査機関は別の会社で、明らかにできないと言われ、無料も6歳以下の児童と限定。しかも、すぐに有料化されたんです。他社と比べても検査精度は低いのに、高額な検査費用をとっていました。  こうした「福島県民は無料検査」で話題をつくり、名前を売って有料化するのは悪徳な検査業者によく見られる手口の一つ。今後もこうした業者は増えるでしょうが、きちんと判断することが肝要です。見分け方としては、検出された数値が「事故直後の安全を保証するものではない」という説明がきちんとあること。定期的に、家族で受けることを勧め、個人の数値の上下やほかの被験者との比較評価ができること。その後に民間療法的なものに誘導しないことです。 ◆内部被曝検査は定期的に受けてこそ意味がある!  また悪質検査業者が多いからといって、内部被曝検査を受けないのではなく、きちんと受ける意味はあると思います。  確かに事故後1年が経つ今、内部被曝検査で数値はほとんど出てこない。ただ大切なのは検出された絶対値ではなく、定期的に内部被曝検査をし続けることで「傾向を知る」ことだと思うんです。  食べ物の汚染は今後もまだまだ続きます。国の規制値500Bq/㎏の食品を食べていれば内部被曝検査で危険な数値が出ることはないでしょう。しかし、もしかしたら高線量の食物をうっかり食べてしまうかもしれない。  実際、内部被曝検査では、家族で高い値を出したというケースが多い。これは食生活や行動パターンに何らかの内部被曝する原因があるということ。検査で数値の上下を知ることは、内部被曝を予防するための大切な指針になるはずです。  行政が法的基準を定めないため、業者の言い値になってしまい、悪徳検査業者が横行しているのが現状です。ただ、自身で費用対効果を考え、納得のいく金額であれば、内部被曝検査を受け続けるべきだと思います。 【おしどり】 吉本所属の夫婦音曲漫才コンビ。福島原発事故後、各地を取材するジャーナリストとしても活躍。写真右がツッコミ担当のマコ♀さんとボケ担当のケン♂(左)さんだ。 <取材・文・撮影/高下ちあき 内村塩次郎 大木リン> ― 内部被曝[悪徳検査ビジネス]の手口をバラす!【3】 ―
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