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韓国軍レーダー照射事件、日韓の“証拠動画”から見えてきたものとは?

「自衛隊ができない50のこと 47」  昨年12月20日、海上自衛隊のP-1 (哨戒機)に韓国海軍の駆逐艦「クァンゲト・デワン」が火器管制レーダーを照射しました。この火器管制レーダーは艦対空ミサイルの誘導に使うものです。つまり、我が国の海上自衛隊の航空機が韓国海軍に「攻撃を受ける前段階のロックオンをされた」ということです。火器管制レーダーは民間航空機や味方の航空機などに向ける前に「それは味方(民間機)なので照射できません」という表示が出ます。その上で火器管制レーダーを照射しようとする場合、海上自衛隊の航空機を友軍の航空機から外す作業が必要なので、凡ミスでは不可能です。  この問題は「韓国海軍は自衛隊を友軍のlinkから外して敵側と認識しているのか?」という疑念を感じさせる大問題なのです。中国海軍からの火器管制レーダー照射とは次元の異なる大きな問題です。  さて、火器管制レーダー照射について海上自衛隊から現状を示す動画が公表されました。P-1 (哨戒機) は改変不可能な記録を保持しています。動画にはレーダー照射中というテロップはつけられていましたが、基本的に行動記録がそのまま公開されていました。  それを受けて、韓国も今年1月4日に反論動画を公表しました。動画の中身はほとんどが海上自衛隊の動画への批判であり、新たな画像も発表されていました。この動画にある画像などを反論の材料とするには、様々な疑問がありました。  それぞれの動画がこちらです。 ●海上自衛隊 ●韓国軍  韓国側は動画を少しずつ発表当時のものから改変しています。すでに発表時にあったタイトル画像、P-1 (哨戒機) と駆逐艦「クァンゲト・デワン」が同じ画面にある画像は削除されました。最初のタイトル画像だったもののスクリーンショットはこれです。よく見ると、真冬の日本海で起きた事件なのに、韓国海軍の皆さんは半袖です。寒くないですか?大丈夫ですか?心配になりますね。
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韓国からの発表当初に使われていたタイトル画像

 この画像は韓国海軍ホームページ上の画像と、海上自衛隊の公式サイトの画像です。
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韓国海軍ホームページ上にあった画像

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海上自衛隊ホームページ上にあった画像

 削除されたタイトル画像はこの2つの画像の合成です。韓国海軍の皆さんが半袖なのは夏に撮影された画像を合成したからでしょう。既に削除されてしまったのでこのタイトル画像が見られなくなったことは残念ですが、次の検証を続けましょう。  こちら韓国の動画でP-1 (哨戒機)と韓国駆逐艦が写っている動画の一部です。
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検証の元となる画像

 手前に北朝鮮のものと思われる漁船。その奥に韓国の海洋警察庁(Korea Coast Guard)のボートと思われる船舶、遠くに韓国駆逐艦、そして上空にP-1 (哨戒機)が見えます。  この海上でのP-1 (哨戒機) の長さと水面までの距離をみてみましょう。P-1 (哨戒機) が飛んでいる場所はもう少し手前の水面になるはずですが、どれくらい手前かという検証は簡単に説明しきれないので、水平線までの高さで計算します。この画像から最小の高度を導き出すことができます。なおP-1 (哨戒機)の全長は38m、「クァンゲト・デワン」駆逐艦の全長は135mです。
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水面までの画像上の距離43.2mm ※数値は筆者のモニタ上

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P-1 (哨戒機) の画像上の長さ8.1mm ※数値は筆者のモニタ上

 43.2 ÷8.1 ×38 = 202.7(以下すべて四捨五入) 最低でも202m以上の高さがあり、海上自衛隊の発表した高度が正しいことが証明できました。最小値なので実際はもっと高度が高いはずです。
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もしも駆逐艦とP-1が同じ距離にいた場合は…
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