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日本は、自衛隊が駐留するジブチに「占領軍」のような不平等協定を強いている

ジブチ

射撃訓練を行うジブチ駐留自衛隊(陸上総隊Twitterより)

 日本国内で米軍による事故や犯罪が相次いでいる。しかし、一向に改善される兆しはない。その大きな要因は“現代の不平等条約”とも呼ばれている「日米地位協定」の存在だ。  この協定は「世界で最も米軍に寛大な協定」とも言われ、駐留米軍には日本の国内法は原則として適用されず、訓練・演習への規制権限もない。基地管理権もなく、基地内の人物・施設や財産に対して、日本側には捜索・差し押さえ・検証の権限もない。

日米地位協定以上に不平等な、日本・ジブチ地位協定

 その一方で、アフリカ北東部の国ジブチに駐留する自衛隊は、これとは逆に現地の主権を徹底的に侵害する「治外法権」の状態にあるという。  ジャーナリストの布施祐仁氏はこう解説する。 「ソマリア沖での海賊対処活動として日本は自衛隊を派遣、ジブチから土地を借りて基地を置いています。日本政府はジブチ政府と自衛隊の地位についての協定を結んでいるのですが、この『日本・ジブチ地位協定』では、自衛隊が事件・事故を起こした場合に公務・公務外にかかわらず、現地での法的責任を免責される『治外法権』ともいえるものとなっているのです」(布施氏)  日米地位協定では、在日米軍関係者の事件・事故について「公務中」「公務外」と区別し、後者の場合は日本側で第一次裁判権を行使できるようになっている。つまり「日米地位協定以上に、現地の主権を侵害する内容」(布施氏)というわけだ。 「完全な免責特権を享受するのは占領軍ぐらいです。自衛隊はジブチ政府の許可を得て駐留しているだけなのに、占領軍なみの特権を地位協定でジブチ政府に認めさせているのです。しかも、そうしたことが日本ではほとんど知られていない。非常に大きな問題だと思います」(同)
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日本人は「主権」について鈍感すぎる
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