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発達障害者たちを狙った「マルチ・新興宗教」が急増中

 過去2度にわたり、大特集を展開した発達障害。その取材をきっかけに生まれた『発達障害グレーゾーン』(姫野桂著)も発売即重版となるなど、大きな反響を呼んでいる。今回は、発達障害グレーゾーンに苦悩する人々の弱みにつけこむ「マルチ・新興宗教」を追った。

発達障害者たちを狙ったマルチ、新興宗教が急増中!

「発達障害に関する悩みを打ち明ける交流会で近くに座った人と軽く話をしたあとに連絡先を聞かれたので、深く考えずに教えてしまいました。その後、『もう一度、会いましょう』ってすぐに連絡がきて……」  そう振り返るのは田中博美さん(仮名・37歳)。もともと職場での人間関係に悩みを抱えていたという田中さんは雑誌の発達障害特集で当事者交流会の存在を知り、参加を決めたという。 「会の雰囲気自体が和やかだったので、私も油断したのですが、後日、再会したら完全にマルチの勧誘でした。面と向かって話を続ければ、相手の思う壺だとわかったので、すぐに荷物を持ってその場を立ち去りました」  発達障害がクローズアップされ、社会的にその存在が知られたことにより、悩む人の心の隙間に入り込み、当時者たちを食いものにしようとする輩も増えているという。グレーゾーン限定の交流会を主催するOMgray事務局のオム氏の会でも似たケースがあったと明かす。 「つい最近、とある新興宗教の関係者がうちの交流会に潜り込んでいたことが明らかになり、即出禁処分にしました。ほかの発達障害者の交流団体のところにも、そういった本来の趣旨とは違う目的で出入りしている人がいるという話が僕の耳に入ってきています。  当事者の方たちは誰もが本当に切実な思いを抱えて、会場まで足を運んできているわけで、マルチにしろ、新興宗教にしろ、そこにつけ込むような卑劣な行為は絶対に許せません」 【オム氏】 OMgray事務局代表。’17年、軽度の発達障害の特性に悩む人の当事者会を立ち上げる。現在は都内、横浜などの施設で定期的にグレーゾーン限定の会「ぐれ会!」を開催 ― 発達障害グレーゾーン ―
発達障害グレーゾーン

徹底した当事者取材! 発達障害の認知が広まるなかで増える「グレーゾーン」に迫る

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