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長く働くため「後輩に肝心な仕事は教えない」50代男性の戦略

 少子高齢化が進む昨今、長く働き続けることはもはや必然に。かつての「働き方」がいよいよ微塵も通用しなくなるこれからの時代、60歳以降の人生を確実に乗り切るうえで必要となるものとは一体? 経歴よりも資格よりもずっと重要となる「サラリーマン生活の適切な終え方」ここに考察する——。
会社員人生の終活

※写真はイメージです

長く働くために自ら「正社員」を放棄

大川貞夫さん(仮名・56歳)年収800万円(副業含む)  確かに業務委託には年齢制限こそないが、いつお払い箱にされてもおかしくないリスクは存在する。急な戦力外通告を防ぐため、大川さんはある戦略を取っている。 「今、担当している仕事を他人に渡さないため、業務内容は完全にブラックボックス化させています。僕が今日死んだら、残された人は途方に暮れると思います。以前、上司から『お前の仕事を後輩に教えてくれ』と言われて講習したこともあるんですが、途中で『すべてを教えたら、自分の仕事がなくなる』と気がついて。肝心なことは教えず、適当なところでフェードアウト。だって、同じスキルを持つ人間が2人いたら、絶対若いヤツが重用されますからね」  同時に、万が一、仕事がなくなったときの準備も欠かさない。 「週末には、清掃や工事現場、イベント設営などのバイトを入れて、いざ失業したときに備えています。その稼ぎは年間150万円ほどあるので、家計も助かる。自由に副業できるのも、業務委託だからこそですよね。周囲からは『働きすぎでは?』と心配されますが、なんだかんだで続いています」  行動力と決断力を武器に自分のテリトリーを確保できれば、将来への大きな安心材料となる。 【プロの視点】 「会社頼みではなく、キャリアを自分で考えること。そして、副業などで社外のいろんな人と交流することは、知人を増やすとともに自分の能力や得意分野を知るうえでも有効。ただ、注意したいのが健康面。無理して体調を崩し、働けなくなったら本末転倒。健康は一番の財産です」(人材育成企業の代表を務める前川孝雄氏) — 会社員人生の終活 —
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