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「枝野幸男ある限り、絶対に負けない」が自民党の合言葉だ/倉山満

言論ストロング

6月12日、イランで握手を交わす安倍首相とハサン・ロウハーニー大統領。「トランプ内閣の外務大臣」として試みた「懸け橋外交」だったが、成果は果たして……(写真/時事通信社)

「枝野幸男ある限り、絶対に負けない」が自民党の合言葉だ

 今回の参議院選挙で自民党に投票するとは、どういうことか。「日本を地獄に落とす」と決めることだ。  だったら、「決められない政治」に戻すのが、現状の最適解だろう。  戦後政治において、政権交代は参議院選挙を契機に行われた。自民党の二度にわたる政権失陥も参議院選挙の敗北からだったし、民主党も衆議院選で勝ちながらも参議院選挙で敗れて何もできなかった。  今回、安倍晋三首相が総裁を務める自民党に投票するとは、これまでの安倍自民党政権を承認し、今後も彼らの掲げる政策を容認することになる。恐ろしい未来が待っている。  内政においては、経済大国の地位を捨てることになる。6年も金融緩和を続けて、いまだにデフレ脱却ができていない。言うまでもなく、8%の消費増税が、金融緩和の効果を破壊してきたからだ。そして、今また消費税を10%に増税しようとしている。狂っている。  外政においては、アメリカ大統領が民主党だろうが共和党だろうが忠勤を尽くす。中国、ロシア、北朝鮮を本気で怒らせる真似はしない。せいぜい、韓国くらいには文句を言う。  日本人はどんなに真面目に働いても、豊かな暮らしを手にすることはできない。外国には媚び諂い、誇りを捨てて生きる。安倍自民党を選挙で勝たせる限り、災害対策くらいは、安心させてやる。それが嫌なら、立憲民主党にでも投票しろ。こういう傲慢な姿勢が、安倍自民党の正体だ。  安倍周辺は旧民主党政権を「悪夢」と繰り返すが、災害対策だけはマトモなことと、不十分でも景気が回復傾向に持っていった以外に、何の取り柄があるのか。そもそも、その「悪夢」を生み出したのは、リーマンショックの時の麻生太郎内閣が、あまりに無能だったからではないか。その麻生太郎が安倍内閣6年間で一貫して、副総理・財務大臣に居座っている。そして、常に増税を唱え、デフレ脱却を阻止してきた。  こんな無能な安倍政権が許されるのは、なぜか? 野党がさらに、無能だからだ。「枝野幸男ある限り、絶対に負けない」が自民党の合言葉だ。枝野幸男が野党第一党党首に居座っている限り、安倍自民党内閣は安泰だろう。愚かな野党が居座る限り、マトモな野党が台頭できないからだ。そして、自民党は安泰になる。愚かな野党を第一党に据えるのは、社会党に援助し続けた時代以来の、自民党お家芸だ。
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安倍晋三は「トランプ内閣の外務大臣」
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