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元・不登校児たちに聞いた「大人になって後悔してますか?」

 不登校ユーチューバーの登場は、学校は通うべきか否か議論を呼んだ。「学校に通わなくてもいい」という肯定論は本当なのか? 元・不登校の大人たちに生の声を聞いた。

「不登校でもいい」という風潮は是か非か?

不登校

※写真はイメージです

「不登校は不幸じゃない」をキャッチコピーに「少年革命家」を名乗り、“不登校ユーチューバー”として「ゆたぼん」(10歳)が注目を集めた。不登校児は年々増加しており、『不登校新聞』編集長の石井志昂氏によると、「少子化にもかかわらず、不登校の児童生徒数の割合はこの20年で1.5倍に増え、過去最多になっている」という。  ゆたぼんは不登校になった理由として「周りの子たちがロボットに見えたから」などと説明していて、ゆたぼんを後押しする著名人も多数登場した。脳科学者の茂木健一郎氏はゆたぼんと対談し、「学校に行かなくても学ぶことは無限にできる。学校で身につく社会性がすべてではない。応援しています」とコメント。  ほかにも「勉強が嫌いならしなくてもいい。掛け算は計算機があるんだから、できるようになる必要はない」と発言する人もいた。このように、世の中では“不登校でも構わない”という主張が大勢を占めている。  果たして、本当に学校に通わなくてもいいのだろうか。  確かにいじめなど命の危険がある場合は学校に行く必要はないだろう。だが、文部科学省の「不登校経験者への追跡調査」によると、「行かなくてよかった」と肯定的評価をしているのは約1割で、約4割が「行けばよかった」と後悔しているのも事実だ。健康社会学者の河合薫氏は、こう語る。 「“不登校でもいい”という世論が高まっていますが、『所詮、他人の子供だから』というのがあるのではないでしょうか。自分の子供が不登校になると、ほとんどの親は引っ張り出してでも学校に行かせるのが現実です。本人と無関係な人が“学校に行かなくていい”と安易に語るのは甘い言葉にすぎず、無責任だと思います」
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友達ゼロで職も転々。尾を引く不登校時代
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