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病気になる職場ワースト5。ノートPC、コーヒーサーバーのリスクとは

―[病気になる職場]―
 我々が人生の多くの時間を費やすのが“職場”。昨今、働き方改革が叫ばれているが労働環境改善の兆しはいまだ見えず、劣悪な環境で心身がボロボロになってしまうことも。それどころか医師に話を聞くと、意外なところにも人生を見失うリスクがあることが判明した。 ノートPC

支給品がノートPCだと心筋梗塞のリスクがある

 PCや電話など、仕事に必須なツールは通常会社から支給されるが、そこに病気のリスクが潜んでいる場合がある。産業医の大室正志氏は、ノートPCには注意が必要だと語る。 「デスクトップ型にくらべてサイズが小さく、目線が下がるノートPCは猫背を促進します。姿勢が歪んだ状態で長時間作業をすることで血流は悪化し、最悪の場合、心筋梗塞に至ります」  泌尿器科医の平澤精一氏もノートPCの危険性に同意する。 「動脈硬化による血流の悪化の症状は、陰茎⇒心臓⇒脳の順番に表れます。“朝勃ち”がないのは心筋梗塞の予兆だと思ってください」  心筋梗塞のリスクは会社員につきものである接待や飲み会にも。 「飲みの席で摂取しがちな、カツオ、エビや干物、レバー、ビールといった居酒屋メニューは、尿酸値を高め痛風だけでなく動脈硬化を引き起こします。飲み会や接待が頻繁な人はご注意を」(平澤氏)

カフェインの過剰摂取も

 また、福利厚生の一環として、職場にコーヒーサーバーが置いてあると、これも病の危険因子に。 「オフィス内に設置されていて無料ならば、当然のことながら自販機やカフェに行くより手軽なため、過剰に飲みがちです。一日におおむね5杯以上飲むのは避けるべき。カフェインの過剰摂取は不整脈を引き起こします」(大室氏)
自販機

自販機やカフェ、コンビニなどで購入するのと比べて、「何杯飲んだか」を把握しづらい点も飲みすぎにつながりやすい

「ちなみにコーヒーは適量なら健康を促進します。アメリカの論文に、『一日に4杯のコーヒーを摂取するとがんの発症率が下がる』というデータもあります。ただ糖尿病の恐れがあるので砂糖は極力減らして」(平澤氏)  さらに、気密性が高いビル内のオフィスにはこんなリスクも。 「空調が効きすぎていて、屋外との寒暖の差が大きい場合には血管に負担がかかります。さらに、社内のシステムやツールに不備がある状態だと恒常的なイライラの原因になり、これも高血圧で血管に負担がかかる可能性が」(同)  医師100人にアンケートを行って明らかになった病気のリスクワースト5を下記に掲載。そちらも参考にしてもらいたい。

100人の医師が判定する病気リスクランキング「血管篇」

1位 73点 支給PCがノート型 2位 70点 飲み会や接待が週1回以上ある 3位 52点 コーヒーサーバーが職場に設置されている 4位 41点 気密性が高いオフィスで空調が効いている 5位 32点 起動が遅いなど、支給PCのスペックが低い  4位は高層ビルに入っているオフィスにありがち。5位は年間で計算すれば数十時間ものロスにもつながる。 ※100人の医師に「病気になると思う/どちらかというと病気になると思う/どちらかというと病気にならないと思う/病気にならないと思う」のいずれかで回答してもらい、点数化して集計 【泌尿器科医・平澤精一氏】 マイシティクリニック院長。医学博士。男性更年期の診療に携わり、メンズヘルスの普及に努める。近著に『熟年期障害』(アスコム) <取材・文/週刊SPA!編集部> ※週刊SPA!10月8日発売号の特集「病気になる職場」より
週刊SPA!10/15・22合併号(10/8発売)

表紙の人/ 高畑充希

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