やっぱり『血液型占い』はトンデモ理論だった!

長年、「そういうものだ」と思い込んでいたことが、実はまるっきり違っていたという経験は誰にでもあるだろう。そこで、我々が普段当たり前のように思っていた定説をもう一度、洗い直してみたい 【からだ編】 エセ科学や誤解に基づく”定説”が横行! ― 血液型 ― <定説>血液型で性格は説明できる <真実>そもそも研究方法が超デタラメ 「性格と血液型の関係についての研究はそのほとんどが研究方法に欠陥がある」と指摘するのは、富山大学の村上宣寛教授。血液型人間学のルーツは、教育学者・古川竹二氏の論文「血液型による気質の研究」(1927年)で、「自分の血族11名の観察から仮説を立てた」、統計とは呼べないもの。 「これは’33年の日本法医学会総会で否定されますが、この古川学説を焼き直して大衆書を執筆したのが能見正比古氏。引き継いだのが、息子の能見俊賢氏です」  彼は「O型の人はパワフルな人、頑張る人」といった血液型性格チェックリストを作り、どのタイプに該当するかを調べる方法を考案。「日本人全体の血液型分布とほぼ同じ割合で、337名の大学生を被験者とし、自己記入式質問紙で検証。『血液型ごとの回答数がすべて等しい』という帰無仮説が否定できたのは、『まじめな』という問いだけ。また、『はい』の回答数が7割前後の形容詞は、頑張る、陽気な、熱中する、好奇心のある、人情のある、夢見るであり、どの血液型でも7割前後の人が『はい』と答えるので、性格記述用語としては不適切。血液型人間学は、日本を代表するトンデモ人間学です」 【村上宣寛氏】 富山大学人間発達科学部教授。著書に『心理学で何がわかるか』。「血液型人間学」から「ロールシャッハ・テスト」、「内田クレペリン検査」、「YG検査」までバッサリ斬る ― 日本人の[定説]はウソだらけだった!【8】 ―
おすすめ記事