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50代3000人に聞いた人生最大の危機は? 地位・収入・やりがいの低下etc.…

―[50代になる憂鬱]―
 早期退職者募集が6年ぶりに1万人を超えるなど、過酷さを増す50代。会社からはお荷物扱いされ、妻からは熟年離婚を切り出され……そんな「50代の試練」に直面する先輩たちから、“憂鬱な50代”にならないための生き方を学び取る! サラリーマン

50代が抱える人生の危機とは?

 “逃げ切り世代”といわれる50代だが、その実情を覗いてみれば“憂い”に溢れている。全国の50代男性3000人を対象にしたアンケートでは約8割が50代を迎えて人生最大の危機に直面し、9割以上が何かしらの不安を抱いていることが判明。 Q1:50代になって迎えた最大の人生の危機はなんですか? (全国の50代男性3000人にアンケート/複数回答可) 職場での地位、収入、やりがいの低下 1256人 健康面で大病(メンタル含む)を抱えた 580人 両親・義理の両親に介護が必要になり、仕事と生活が激変 421人 転職に踏み切ったが、収入が低下してしまった 398人 妻との関係性が冷え込み、熟年離婚の危機、もしくは離婚した 251人 職場で退職勧奨に近いプレッシャーを受けるようになった 238人 役職定年によって収入が低下してしまった 225人 子供の養育費・学費で家計が崩壊、破綻しかけた 191人 勤め先の業績が悪化し、リストラもしくは倒産によって失職 140人 老後資金づくりに手を出し、投資に失敗した 113人 独立・起業に失敗してしまった 80人 子供が引きこもりになってしまった 74人 特に危機はない 611人 ===  なぜ彼らは、ここまで追い詰められているのか? そのシビアな現状を人事ジャーナリストの溝上憲文氏はこう語る。 「年功序列の恩恵を受けてきた今の50代は、能力以上に給与をもらっている。このギャップを是正しようと、業績好調な企業でさえ早期退職者募集を進めています。また、年金支給開始年齢の引き上げを目指す政府は、高年齢者雇用安定法によって’26年以降、70歳までの雇用を義務化しようと画策中。  こうなると企業は大量の“お荷物社員”を抱えることになるので、将来を見据えて、“ポンコツ50代”を追い払おうと考えています」  さらに景気が失速し始めた現在、「50代の立場はさらに悪化する」と人材育成を支援するFeelWorks代表の前川孝雄氏。 「すでに人件費削減への動きは大企業を中心に加速しています。そのメインターゲットがボリュームゾーンの中高年男性。今後しばらくは、中高年へのリストラ圧力は強まり、職場での早期退職勧奨が恒常化する恐れさえあります」  新たな環境を求めて転職や独立に舵を切っても前途多難だ。 「年収低下は言わずもがな、大手企業から中小企業への転職なら給料は半分近く下がる覚悟が必要。また、割増退職金を元手に安易に独立しても、成功するより失敗する確率が高い」(前川氏)
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50代でもっとも不安なのは…
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