「宿泊客が凍えぬよう」 1000枚の布団を従業員総出でバケツリレー

震災により自らも甚大な被害をうけながら、利用客の帰宅を最優先に行動した福島「スパリゾートハワイアンズ」の従業員たち。そんな彼らに当時の状況を語ってもらった 瀬谷篤史さん瀬谷篤史さん ●清掃係統括  まだうっすらと雪が散らつく3月の福島県。震災直後、部屋に戻れず廊下や玄関先で立ち往生する宿泊客が凍えぬように、清掃担当の瀬谷篤史さんは、館内にあるありったけの布団を無我夢中で引っ張り出したという。 「余震が怖かったこともあり、個人の安全が把握しづらい客室にお客様を寝かせるわけにはいかない。そこで、館内にある1000枚近い布団を引っ張り出して、1階まで下ろし、見渡しのいいロビーや大ホール、ろう下などで寝てもらいました」  だが、原則1人1枚の布団も、なかには1人で2~3枚布団を持っていく人が続出。翌日、余震におびえつつも追加で約300枚の布団を階下に下げた。  しかし、彼の苦労はここで終わらない。瀬谷さん以外は契約社員だった80人の清掃係は、全員契約終了。結果、震災直後、清掃係は瀬谷さん1人に……。 「現在は、再開後に戻ってきてもらった2~3人の契約社員の清掃係とフロントスタッフの手を借りて、仕事を進めています。ただ、当時使った大量の布団はクリーニングも終えていないし、館内の未使用部分は、震災後の清掃が済んでいない箇所もある。まだまだこれから……ですね」 ― 福島「スパリゾートハワイアンズ」復活の軌跡【5】 ―
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