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ファミコンの新作ソフトが今も発売されている理由。最新作は5月9日に発売

 30代以上の人は、必ず遊んだことがあるはずのファミリーコンピュータ(以下ファミコン)は、1983年に発売され、世界中で6000万台以上売れた任天堂の家庭用ゲーム機です。2016年には、ニンテンドークラシックミニファミリーコンピュータとして復刻版が発売され話題にもなりました。  そんなファミコンの新作ソフトが今も販売されていると言っても信じない人も多いですよね? 実はこれ、冗談でもなく本当に販売されているのです!

30代以上なら、子供の頃ほとんどの人が遊んだファミリーコンピュータ。ディスクシステムを知っていれば立派な中年です

発売から30年を経て世に出た新作ファミコンソフトとは?

 と言っても、この新作ソフトは任天堂公認ではなく、名目上はファミコン互換機用のソフトなんです。  なぜ互換機用ソフトかと言うと、ファミコンは2003年に特許権が消滅して販売が終了。これを機に互換機が世にたくさん登場し販売されるようになったからです。例えば、ファミコンが世に出てから30年目の2013年に『キラキラスターナイト』という新作ファミコンゲームが登場。残念ながらカセットとしての販売は予算の都合上見送られ、ゲームCDが付属する同人誌として、コミックマーケットで販売。これが大きな話題となり2016年、コロンバスサークルからカセット版が発売されました。  ほかにも、ファミコンを音楽プレイヤーとして聞く専用のゲームミュージックソフト『8BIT MUSIC POWER』『8BIT MUSIC POWER FINAL』がそれぞれ2016年、2017年に発売され、話題となりました。

実際に販売された『8BIT MUSIC POWER』のファミコンカセットや設定集・サントラなど

 どのソフトも、ファミコン発売当時には不可能な表現とも言える画面になっており、現代の技術や商業ベースではかけられないほどの開発年数と手間をかけ、ファミコンの限界性能に挑戦したソフトになっています。  こうしたファミコンの新作ソフト開発は、漫画家のRIKIさんが中心となり、漫画やイラストの仕事の傍ら、手探りの状態からゲーム開発を行い、RIKIさんの魅力に惹きつけられていったファミコン発売当時のゲーム開発者や音楽家の協力により、非常に完成度の高いゲームソフトが作成されました。

ゲーム開発者のRIKIさん。その手元にはマボロシの試作カセットが……

「漫画家がなぜゲーム開発を?」と思うかもしれませんが、実はRIKIさんは元々ピピンアットマークというバンダイとアップルが共同開発したゲーム機で、ゲームソフトをプログラムから絵素材まで1人で作っていた過去があります。

『8BIT MUSIC POWER』発売時にはイベントも行われた

こちらは『8BIT MUSIC POWER』のコスプレ

2020年5月9日に発売される最新作『アストロ忍者マン』

 ちなみにRIKIさんの次なる新作はシューティングゲームとなる『アストロ忍者マン』。今回もファミコンの性能の限界に挑戦したソフトとなっています。

『アストロ忍者マン』のパッケージ

『アストロ忍者マン』のデモ画面

 残念ながらファミコンソフトの開発は、今回でひと区切りとのこと。いつの日かまた、ファミコンの新作ソフトの開発をしてほしいですね。
 そんなわけで、今でも購入することができるファミコンの新作ソフト。再び子供時代に戻った気持ちであのワクワク感をもう一度味わって欲しいものです。  なお、今回ご紹介した『8BIT MUSIC POWER FINAL」』『キラキラスターナイトDX』はネット通販サイトや全国のゲーム売り場にて購入可能です。『アストロ忍者マン』は秋葉原のゲームショップ「家電のケンちゃん」で購入できます。
テクニカルライター。三才ブックスのマニア誌『ラジオライフ』にてガジェットや分解記事を執筆。買ったら使用前に分解するのがライフワーク
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