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通勤電車に乗れない、肉が食えなくなった…アフターコロナ症候群の実態

 緊急事態宣言が解除されたとはいえ、自粛生活を強いられた約3か月。その間に「体力が落ちた」「疲れやすくなった」「物忘れがひどくなった」「うつ病気味になった」といった不調を自覚し始めた人々は実に多い。これらがリカバリされないままだと、社会全体に停滞をもたらすことは必至だ。男性300人へのアンケート結果と具体例から“コロナぼけ”、アフターコロナ症候群の実態をみていこう。
電車

※写真はイメージです

電車に乗れなくなる、筋力低下、血圧上昇……体にともる危険信号

 在宅勤務中、身体機能が大幅に衰えたことにより日常生活に支障をきたす例が増えている。アンケート結果で、回答数の多かった「通勤したくなくなった」(104人)は顕著な例の一つだ。  2月末から約3か月間の在宅勤務をしていた会社員の瀬戸内宏伸さん(仮名・42歳)。緊急事態宣言解除に伴い、ついに会社から「とりあえず一度出勤するように」と通達され久々に朝の通勤電車に乗った。時間差通勤などもあり以前のようなラッシュではなかったが、瀬戸内さんは突然目まいに襲われ、その場にへたり込んでしまった。その上「この人、コロナかも」と思われたのか、手助けをしてくれる人は皆無。次の駅で下車してホームのベンチで休んでいたが回復せず、結局会社を休んでしまった。 「驚いたことに、私と同じ症状に見舞われた同僚が2人いました。それ以降、電車に乗るのが怖くなってしまって……今後も通勤できるか不安なので、会社を辞めるかもしれません」  一方、開業を目指し、ラーメン店で修業中の伊藤和也さん(仮名・38歳)も同じく「復帰できる自信がない」と話す。理由は、自宅待機中に運動機能がひどく衰えてしまったからだ。自室でつまずいたり転ぶことが増えたが、深刻なのは、コップや皿をよく落とすこと。つかんだつもりが落としてしまい、割った食器は数十枚にも及ぶという。伊藤さんは「現場では7時間くらい立ちっぱなしだったし、中身の入った重たい丼を両手で持つなどして自然と筋力がついていたのだと思います。一応、YouTubeを観て筋トレなどをしてますが、手遅れのような気がしています」と嘆く。

「肉が食えなくなる」ナゾ症状を訴える例も

 食べる力が衰えたという例も。佐藤真司さん(仮名・45歳)の仕事後の楽しみは、お気に入りのキャバクラ嬢と焼き肉を食べに行くことだった。自宅で過ごすようになってからは、ネットなどで牛肉を取り寄せて食べてみたが、喉を通らなかった。 「そこで初めて、俺は肉ではなく、女のコと焼き肉をつつくのが好きだったんだなと気づきました」  そして先日、久々に現場復帰の知らせを受け、さっそくキャバ嬢を呼び出し焼き肉店へ。だが、着席して10分で帰りたくなったという。 「肉の焼ける臭いで胸やけし、早く帰って寝たい、テレビ観たい……と思っている自分に驚きました。いつもなら肉を食べながらその先のことを考えて興奮することもあったのに……。カネだけ置いて先に帰ってしまいました」
アフターコロナ症候群

「肉を食べられなくなる」は珍しいながらも散見される。胃腸が弱っているせいか、胃もたれをしてしまうという声が多い

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同居の親にこき使われ、ストレスで血圧上昇
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