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マスクに対する抵抗感が少ない日本人、その意外な理由とは/鴻上尚史

マスクに対する抵抗感が少ない日本人、その意外な理由とは

ドン・キホーテのピアス 僕が司会をつとめるNHKBS1『COOL JAPAN』で「世界が驚いた新型コロナのニュース」というテーマで収録しました。  番組はいつも8人の外国人が参加してるのですが、一番深刻な顔をしていたのはブラジル人男性でした。  有名な事ですが、現在のブラジル大統領は「コロナよりも経済!」を言い続けて、ロックダウンどころか自粛要請もしていません。  死者はアメリカに次いで世界で二位になり、スタジオの彼は「あきらかに間違っている、ロックダウンすべきだ」という表情をしていました。  同じく、ヨーロッパでロックダウンも自粛要請もしなかったスウェーデン人女性は、私達はこれから何年もコロナと共に生きていくのだから、これでいいのだと言っていました。この方法を選んだ母国の選択を支持するということです。  母国のコロナ対策に満足していたのは、ニュージーランドの男性。ニュージーランドの女性首相の手腕は高く評価されてますからね。  韓国の男性も満足していると語りました。  イタリア人男性は、本当にロックダウンは大変だったと顔を曇らせました。外出してはいけないことが、どれほど、イタリア人の精神を痛めつけたか。  アメリカ人女性も、現在の状況を含めて、胸を痛めていると辛そうな顔をしました。  番組では、「どうしてロックダウンではなく、自粛要請で日本人は外出をやめたのか?」「どうして日本人は新型コロナに感染したら謝るのか?」「自粛警察は世界にもいるのか?」など、実に刺激的な議論が噴出しました。  新型コロナによって、「日本と日本人」がむき出しになったような状況でした。 「どうして日本人はマスクをするのか?」というテーマも話しました。  欧米では、マスクはなかなか定着しませんでした。  日本人が率先してマスクを受け入れた理由のひとつは、花粉症があるからでしょう。世界では、場所によりますが、日本のように花粉症に苦しむ人は少ないのです。
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マスクをすることで、社会をシャットダウン
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