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不動産で5億円を得た男のその後。一度は早期リタイアしたものの…

 2016年に自身の不動産管理会社を5億円で上場企業子会社へ売却した不動産投資家の石渡浩氏。一生遊んで暮らせるだけの大金を手に入れ不動産投資ドリームを実現した石渡氏だが、売却後はどのような暮らしを送っていたのか。 「会社売却後は税金で1億円を払い、手元に4億円ほど残りました。これを高金利の定期預金キャンペーンをやってる各銀行を渡り歩いて預けると、ノーリスクで年間3%くらいの利息が得られます。税引き900万円くらいになるので、エリート会社員の手取り収入がノーリスクで入ってくるわけですから生活に困りません。あとは売却でふるさと納税の控除枠が700万~800万円ほどできたので、2年くらいは毎日のように地方の特産品を食べてましたね」
石渡浩氏

これまで20億円以上を投資してきた石渡氏。最多期では250戸の物件を所有、 年間家賃収入は最高で2億5000万円

 悠々自適のリタイアライフを送っていた石渡氏だが、自らその生活に終止符を打つ決断へ至ることになる。 「金利生活は確かに安定してましたが、いかんせん賃貸経営をしていた頃と比べて、退屈で面白みがないと感じるようになりました。本当は法人売却後も引き続き経営への関与を希望したのですが、買い主と合意に至らず……。幸い個人で1000万円、もう1つの法人で2000万円ほどの売り上げ規模がある不動産を残しておいたので、再び賃貸経営を拡大することにしました」

ワケあり物件にも勝機を見出し投資

 賃貸経営への復帰を決めた石渡氏はスルガショックの影響で、物件価格の高騰が落ち着きを見せた2019年から再び収益物件を買いはじめる。普通の投資家であれば及び腰になる物件でも、勝ち筋を見い出して購入するのが石渡氏の投資スタイル。建物の界壁問題で渦中にあったレオパレス物件を取得したのだ。 「藤沢市にある築14年の重量鉄骨レオパレス物件を1億円で購入しました。藤沢は土地勘がある地域でしたし、実勢価格なら1億5000万円する土地を1億円で買えた感じですね。ただ、レオパレスの建物は金融機関からまったく評価されず、融資も難色を示されました。そのため10行ほど金融機関をあたり、土地に対して融資をする2行から借り入れをしました。一番抵当が評価過小だったので、二番抵当も入ってます」
石渡浩氏

悪名高いレオパレス案件も石渡氏にとっては好機に

 やはり”ワケあり”を見られてしまうレオパレス物件、手練の投資家でも一筋縄ではいかなかった。しかも、当該物件は投資家から評判がよくない、「サブリース30年一括借上」となっている。だが石渡氏は気に留めることはなかったという。 「借り主はレオパレスのまま、今もサブリース継続中です。実は地域の家賃相場とサブリースの保証賃料にほとんど差がないので良心的なサブリース(笑)。新築だった頃はプレミア家賃を設定して、保証賃料との差額を得ていたのでしょうけど……。もし今後、サブリース賃料の減額があれば、自主管理に切り替えるだけです」
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コロナ禍でも大型投資を敢行
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