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【コミティア100】 電子コミック編集者、未来の人気マンガ家を探す

コミティア100

貴重な歴代カタログ

 創作(オリジナル)限定の同人誌即売会『コミティア』。5月5日、その記念すべき第100回目が行われ、3ホール、5600サークル参加と過去最大規模のイベントとなった。100回目を記念して、コミティアのカタログ『ティアズマガジン』の歴代バックナンバーの展示や、参加者のコミティア愛を綴ったメッセージコーナー、みうらじゅんさんや喜国雅彦さんの原画即売&サイン会などが行われた。 ⇒【画像集】 コミティア100回記念の催し https://nikkan-spa.jp/205942/comitia100_01  そして、コミティアの人気企画である出張マンガ編集部では『少年エース』(角川書店)や『コミック百合姫』(一迅社)など、58誌の編集部が参加。デビューのチャンスの場として大盛況をみせていた。なかには新人発掘の場としてコミティアでスカウトを行っているマンガ編集者もいる。『ガロ』『まんがで読む古事記』『ぷるるんMAX』などの電子コミックを扱う出版社『青林堂(http://www.garo.co.jp/)』の編集者、高嶋氏と松本氏に話を聞いてみた。 ―― どのような流れでスカウトをするんですか? 高嶋 「まず、作品を手にとって読んでみて、いいなと思うものを見つけたら声をかけます。弊社の電子コミックについて説明して、後日ご連絡して、編集部や喫茶店で詳しく話すという流れです」 ―― 声をかけるポイントは? 松本 「ライトユーザーが多いので、取っ付きやすい絵柄を重視しています。見た目がわかりやすく、『エロそう』とか(笑)」 ―― 今日の感触は? 高嶋 「まちまちですね……。電子コミックの市場は大きいですが、あまり表に出ない携帯やスマホの電子コミックは、ピンと来ない人も多いようですから。特にコミティアでは紙媒体が好きな人も多いと思うので、難しいです」 ―― コミティア出身で有名なマンガ家さんは? 松本 「弊社の作家ですが、『ネトラレ』という作品を描いた絵魔さんは、累計50万ダウンロードを突破しました。紙媒体でも発売され、そちらの売れ行きも好調です。いちばんの成功例です。あと、らするさんの『あたしくらいの子でもそんな事できちゃうんだ』。ランキングで2週間1位をキープしていますし、累計10万ダウンロードくらいです」 ―― 今後、電子コミックで挑戦したいことは? 松本 「携帯やスマホの特性をフルで活かせるような作品に出会ってみたいです」 高嶋 「電子コミックは紙と比べて初期費用が安く済みます。なので、マニアックな、紙では出せないような作品に挑戦していきたいです」  コミティアで売られるような紙の同人誌も根強い人気だが、一方で電子コミックやwebコミックなど、デジタル作品でのデビューの場も着実に増えている。人気の作家が数か月後にはベストセラー作家になっていることも珍しくはない。コミティアは年4回開催されており、次回開催は9月2日。あなたも未来の大先生を探しに行ってみてはいかがだろうか。 <取材・文/ひなちゃん 撮影/林健太>
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