『ダーリンは外国人』のトニー「漢字で願を掛けたりもしているのでは」

『ダーリンは外国人』のトニーが語る 漢字で人生を占い願を掛けたりもしているのでは
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 日本語は仮名を覚えるだけじゃダメ。街中には漢字が多く使われていて、漢字も覚えなくては生活に困るんです。私は来日してから半年で、なんとか2000以上の漢字の書き方とおおまかな意味を覚えました。ですが中国語と違い、日本の漢字は「行」1文字だけで、「い(く)・こう・ぎょう・あん」というように読み方が多様でとても難しかったですね。  タトゥーなどでは彫る側の人も視覚だけで感覚的に覚えているから、字自体に間違いが出たりするんでしょう。そもそも字の意味もきちんと理解せず、形のかっこよさだけで決めてしまうと、後悔してしまったりするんです。ちなみにゴア元アメリカ副大統領が、「危機」を”危険なときほど好機を むべき”として使うなど、有名人が間違った意味で広めてしまうケースもありますしね。  そういう私も、「華」という字は最初は形から好きになりました。「華」は最後の一画の縦線次第で、文字の美しさが大きく左右される。私は10回書いて1回ほどしかうまく書けませんが、見事にバランスが取れたときの美しさがいいんですよ。 「従」も好きですね。中国最古の甲骨文字では「从」と書いていたのが「從」になり、現代の「従」となった。前の人の後ろにもう一人が付き従う形の「从」が原型だという成り立ちを知り、感動したものです。  海外で漢字ブームなのも、字の成り立ちが絵のようなもので、その絵から連想される意味があるというところが魅力なんでしょう。きちんと考えてタトゥーを入れる人は、その漢字に人生の占いや願掛けの意味合いも込めているんだと思いますよ。 【トニー・ラズロジャーナリスト。執筆は英語と日本語を使い分けるほか、中国語やスペイン語なども操れる語学オタクでもある。最新刊『ダーリンは外国人in English』では翻訳を担当 ― 海外[漢字ブーム]の凄いバカっぷり【7】 ―
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