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コミック[違法アップロード]無法地帯を探った

テレビ番組や音楽の不正アップロードは以前から問題視されていたが、実は漫画も多数不正アップロードされている。発売日前の漫画誌がアップされ、コミック全巻すらもアップされる無法地帯を探った 発売前の漫画誌からコミック全巻までアップされる無法!  ネット上で、漫画家が違法アップロードされた作品に苦言を呈するケースが相次いでいる。  8月21日には、小学館の漫画誌『サンデーGX』で『ブラック・ラグーン』を連載中の広江礼威氏が、Twitterで「漫画全巻zip で上げてドヤ顔してる人めっけてしまった」と発言。「死ね」などと非難したことで、波紋を広げた。  また、スクウェアエニックスの漫画誌『月刊Gファンタジー』で、人気漫画『黒執事』を連載する女性漫画家の枢(とぼそ)やな氏も、自身のブログで違法動画を閲覧してファンになったと無邪気に書かれたファンレターが多いと苦言を呈し、話題になった。  出版社も違法アップロードに対してスタンスを明確に打ち出し始めている。4月には日本最大の発行部数を誇る『週刊少年ジャンプ』(集英社)が誌面上で「読者の皆様へ」として、ネットに出回る不正コピーへの注意を呼びかけた。 「巻末の表明は、違法アップロードに対する集英社の全社的な姿勢です。今後も、厳正な対応を続けていきます」(集英社広報室)  多くの人気漫画を掲載する『週刊少年ジャンプ』は、読者に小中学校生徒が多く違法だとの認識もないまま不正コピーを利用する可能性があり、業界最大手の危機感が伺える。  実際、今年6月には、『週刊少年ジャンプ』の連載漫画を発売日前に入手して、デジカメでコマごとに分解して撮影後動画に編集して不正アップロードを行っていた中学生が逮捕されるという事件が発生している。  逮捕された中学生は、ネットでは「神」扱いされ、罪の意識も希薄だったという。  アップロードする人間でさえ罪の意識は薄いのだから、閲覧する人の認識は推して知るべし。  苦言を呈した漫画家を、「叩く」声すらネットでは飛び交っているのだ。
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『週刊少年ジャンプ』20号に掲載された表明。 大手漫画誌のこの表明は、国内はおろか、海外でも大きな話題になった
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ネットで、あまりにも無邪気に「漫画を無料で読めるサイトを教えて」と問う投稿。 回答者も丁寧に解説しているのが恐ろしい…… 【動画サイト】 漫画を再編集して動画化。BGM付きのものも!
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「YouTube」などの動画共有サイトでは、人気連載コミックを中心に 不正コピーした漫画を分解してパラパラ漫画風動画に仕立てて アップロードされており、中にはカラー化やBGM付きも ― コミック[違法アップロード]無法地帯【1】 ―
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