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ラブドールの世界でも「困り顔」が支持されている

女子中高生のカリスマ歌手・加藤ミリヤ。最近の彼女をテレビや誌面で見るたびに「なぜそんなに困り顔なんだ?」と疑問を抱いたことから始まったこの企画。よくよく調べてみると、どうやら「困り顔」ブームが来ているらしく…… ラブドールの世界でも「困り顔」が支持されている  人肌の柔らかさをリアルに再現したシリコンボディに、密着感抜群のホールパーツ、そして愁いを帯びた美しい表情……。最新の技術と独自の芸術的感性で、旧来のダッチワイフとは一線を画す”癒しの人形”ラブドールを作り続けているオリエント工業。その近年の人気作品に、実は困り顔の女のコが登場しているのをご存じだろうか。代表的な存在と言えるのが、’05年に登場した未来(みく)だ。その開発秘話を、オリエント工業代表の土屋日出夫氏に伺った。 「それまでラブドールの顔はマネキンを模して作っていたため、特定の表情をつけることはありませんでした。しかし近年は添い寝をしたり、着せ替えをして写真を撮ったり、一緒に旅行をしたりと、お客さまとラブドールとの接し方が多様になってきたため、表情の開発にも力を入れるようになったんです。未来は今までにないタイプの表情だったので、かなり売れましたよ。少し困った表情から『イタズラしちゃだめよ』という性的なニュアンスが伝わってくるからか、気を惹かれてしまう男性が多いんでしょうね(笑)」  さらに’08年にも困り顔の新作ドール・空(そら)を発売。こちらも同じく人気を呼んだそうだ。それ以外にも現在のラインナップを見てみると、オリエント工業のドールには、やや困り気味の表情のものが多いような……。 「ラブドールは単なる性処理の道具ではなく、精神的な癒しも与えてくれる存在なんです。購入された方は声をかけたりもするでしょうし、生活の長い時間を一緒に過ごすわけですから、笑っていたり、怒っていたり、泣いていたりという極端な表情では飽きてしまうんでしょうね。だから困り顔でも、困りすぎはダメ。この”ちょっと困った顔”くらいが、ちょうどいいんだと思いますよ」  確かに間近で見ると「オレがコイツを助けてやらなきゃ!」と男心をくすぐられる気が……。最近ブームの困り顔の魅力を一番見事に体現しているのは、実はこのラブドールたちなのかも!? 【土屋日出夫氏オリエント工業代表。アダルトショップ経営者から転身し、’77年に特殊ボディ専門メーカー・オリエント工業を創設。現在同社のラブドールは、上野と大阪のショールームなどで、実際に見て触ることが可能だ。詳細 http://www.orient-doll.com 取材・文/藤村はるな 古澤誠一郎(Office Ti+) 田幸和歌子 安田はつね(本誌) 撮影/山田耕司 ― ブームの[困り顔美女]って何だ【6】 ―
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