専業主婦を持つ夫鼎談 「これが、僕たちなりの甲斐性っす!」
専業主婦を持つ夫鼎談
「これが、僕たちなりの甲斐性っす!」
Aさん・27歳・フリーカメラマン
「妻が家にいるメリットは、家の灯りくらい」
妻とは大学時代からの付き合い。そのためか、些細なことで
けんかが絶えず、妻とけんかすると、犬に話しかけつつ逃げる
Bさん・35歳・広告代理店勤務
「働きに出たストレスを、ぶつけられるのもツラいですし」
妻とは営業先で知り合う。勤務先の業績は厳しく、
「倒産したら妻は実家に帰す」と、離婚届に判を押して渡してあるという
Cさん・37歳・外資系コンサルティング会社勤務
「妻は家で家事という仕事をしていると思っているんです」
妻は7つ年上の姉さん女房。子供は7歳の娘が1人。
年収1000万円超で、付き合いの多さもあってお小遣いは10万円
C:僕は自分の母が専業主婦だったせいか、妻が家に入るのは当然という価値観なんですよ。
B:ウチは、妻はメーカーの役員秘書をしていたんですが、体を壊して辞めて、療養している間に妊娠して。若い頃、上司に「専業主婦は不良債権だ」と力説されたのもあって、共働きがいいと思ってはいたんですけどね。
A:でも、その”不良債権”を抱えていても大丈夫なオレっていう優越感はないですか? 僕は25歳のときに結婚してから、奥さんはずっと専業主婦で、周りに驚かれるのがうれしかったんですよね。でも、まあ、今は景気も悪いし、正直、働いてほしいけど。
B:働いてほしいとは思うけど、働きに出て溜めたストレスをぶつけられるのもツラい(笑)。まあ、妻が専業主婦というのは、働く原動力になりますよね。自分が倒れたら共倒れ、と思うと踏ん張れる。
C:僕は外資系勤務で、仕事が終わるのが毎日、深夜。家事が一切できないので妻がいなければ生活は成り立たない。感謝してますよ。
A:それは、経済的余裕もあるからじゃないですか。もし、年収が今の半分だったらどうしますか?
C:う~ん。何かしらの形で働いてもらうのかなあ。でも、共働きの何がイヤって「家事の分担」なんですよ。今の仕事では現実的に無理だし、考えたくない。
B:一般的な家事だけでなく、例えば、靴がいつも磨かれているとか、頂き物のお礼状を出すとか。そういうサポートもしてくれるんで、そこは素晴らしいと思ってます。秘書感覚なんでしょうけど。
A:すごいなあ。僕は妻が専業主婦であるメリットって、正直、思い浮かばないんですよ。強いて言えば……帰宅時、家に灯りがついてることかなあ。僕、鍵っ子だったので(笑)。ただ、家が好きとはいえ、長くこもらせるとストレスが溜まるようで、扱いが難しい。
C:ご機嫌取りではないですけど、娘と一緒に誕生日にプレゼントを買ってあげたりはしてますね。
B:世間とキャッチアップさせようと、『王様のブランチ』を見て、新スポットに連れていったり。
A:同じ場所では新鮮味がないみたいで、普段行かない町外れのファミレスに連れていったら、「こういうのなんかいいね!」と喜んでいたのには驚きましたよ。
C:適度な刺激も、ストレスの捌け口も必要なんでしょうね。
A:不思議なんですけど、専業主婦って、テレビの大家族もの、好きじゃないですか? 見た後、1時間くらい大家族の悪口を言う。あれは、ストレス解消なのかなあ。
B:あ~、わかります(笑)。でも、「テレビ局からカネを貰ってるん
だ」とか言おうものなら、「あなたは心が汚い」と怒りだす(笑)。
A:すぐ卑屈になるんですよね。
B:普通に話しているのに、「上から目線だ」とキレたり。妻に「将来、何をやりたいの?」と聞いて、激怒されたこともありました。「誰もが自己実現を目指して生きているわけじゃない」って。
C:ウチは7歳年上の姉さん女房なので、完全に彼女の手のひらの上。けんかした記憶もないですよ。でもまあ、子育てもあると、どうしても家庭に縛りつけることになるから、デリケートに対応しなきゃとは思いますよね。
A:僕、飲みに行って、どんなに楽しくっても、「ツラかった」という表情で帰るんですよ(笑)。
B:そのままのテンションで帰るのは、危険ですよね。外で楽しんでいた顔は家では出さない。あくまで働くのは大変というのを保つ。
A:彼女の知らない自分をあまり出さないという努力ですよね。
C:なんか、大変ですね……。
A:そうしないと、壊れてしまうから(笑)。家庭がうまく回らないと仕事にも影響が出るし。経済的に余裕がないなら、ほかのところで努力しないとねえ。
イラスト/佐藤ワカナ
― 「男の甲斐性」大暴落 今や専業主婦は狭き門!【6】 ―
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