仕事

【革命前夜のトリスタたち】 津田大介×上杉隆

津田大介(メディア・アクティビスト)×上杉隆(ハイパー・メディア・アクティビスト)
津田大介,上杉隆

“tsudaる”という造語が生まれた2009年当時、津田は「テレビの感想のツイートまで“tsudaる”と言われてたし(苦笑)、嫌いだった」という。tricken氏による「社会問題上重要度の高いカンファレンスにオンライン状態で出席し、現場で発表された発言の140字要約postをTwitterのTimeline上に送り続ける行為」という定義を、津田自身は推奨している。

「こんな不謹慎な金髪を呼んで頂いて、ありがとうございます」――。  6月19日の参議議院文教委員会、国会という厳粛な場にはとても似つかわしくない「金髪の参考人」はこう挨拶した後、違法ダウンロードの刑事罰化を鋭く指摘した。 「メディア・アクティビスト」として国会や政策の審議会で積極的に発言する一方、ジャーナリストとして被災地の最前線を取材する津田大介――。活動のフィールドは多岐に渡るが、あくまで「主戦場はツイッター」と言い続けている。違法ダウンロード刑事罰化の法案は翌20日に可決されたが、法案の修正案を提案しながら「答弁拒否」という“暴挙”に出た議員を名指しし、「池坊衆院議員の名をきちんと覚えておきましょう」とツイートした。  今でこそ22万超のフォロワーを擁する津田だが、意外にも当初はツイッターにさほど面白味を感じなかったという。 「2007年の4月13日に始めたんですが、17日には『仕事をはかどらせなくするツールナンバーワン』とこき下ろし、25日には『いずれ飽きる』とまでツイートしてる(笑)。でも、リアルタイムで反応が返ってくるのが楽しくて、こういうことか!って面白味に気づいた」  一般的なツイッターユーザーと津田の違いはこの後の行動にある。もともとIT系ライターだった彼は、著作権関係の審議会で当事者として、政策決定のプロセスをツイッターで“実況中継”し始めたのだ。 「当時、僕は文化審議会のメンバーでしたが、結構重要な話が行われているのに、メディアが取材にこない……。審議会の1回目とかは取材があるのに、肝心なときにいないわけです。確かに議事録は公開されるけど、できあがるのは1か月も先で、その頃には大勢は決している。手遅れなんです……。どうしよう?って考えてたとき、僕はネットで調べて議論するために、会議にPCを持ち込んでた。『ツイッター禁止』とは言われてないし(笑)、メディアが報じないなら、ツイッターで“テキスト中継”しようと思った。大事なことが決まりかけてるそのとき、とにかく騒いでもらって、知ってもらうことが重要なんですよ」  以降、津田は会議やシンポジウムに出向き“テキスト中継”を行うようになるが、精力的な活動を支えたのは、「政治の可視化」という目的だけでもなかったらしい。 「僕、ライターのくせに原稿を書くのが大嫌いなんですよ(苦笑)。普通、ライターの仕事は取材後に原稿執筆という大仕事が待ってるけど、“テキスト中継”は会議が終われば僕の仕事も終わる。これは素晴らしい!(笑)」 ※この続きは週刊SPA!7月10日発売号 上杉隆の「革命前夜のトリスタたち」VOL.009に掲載
週刊SPA!7/17号(7/10発売)

表紙の人/フューチャーガールズ

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