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花火大会“場所取り代行”の実態とは?

隅田川花火大会

先日の隅田川花火大会の様子。かなりのベストスポットだ

 夏も本番。日本各地では、花火大会が盛んになってきた。夏だけの特別なイベントだけに、誰もがいい眺めの場所で花火を見上げたい。だが、当日はというと、朝から溢れる人だかりで場所取り合戦が行われるため、なかなか思い通りの場所を確保できないのが現実だ。  そこで、需要があるのが、“場所取り代行業者”だ。 「夏の花火大会や春の花見は稼ぎ時ですね」  とは、代行サービス「孫の手」(http://www.p-kit.com/hp/narabiya/)の代表・佐々木久史氏。7月28日に行われた隅田川の花火大会では、3週間も前から場所を取っていたという。それも、隅田公園のなかでも特にいい場所を270平方メートル(4.5畳のビニールシートが20枚分)も確保したというのだ。かなり大胆である。 ――公共の場所を広範囲で押さえるのは違法ではないのでしょうか? 「違法ではありません。人が通る道や花壇以外は場所取りをしてもOKなのです。警察からも一言も文句を言われたことはありません。ただ、『場所を売ります』と謳っちゃうのはアウト。あくまで依頼があったお客さまが来るまで、僕らは代わりに場所を見張っている、という仕事なんです」
花火大会,場所取り代行

座って見ている人が依頼者たち。立ち見の人たちは一般客だ

――どのようにして依頼があるのでしょう? 「依頼は、事前に弊社のホームページから受け付けて、一組の団体さんに対して4万円ほどで引き受けます。人数にもよりますが、一律です。ただ、花火の場合はカップルなど少人数のお客様が多いので、それは5000円にしたりと見たいお客さんのために、金額の工夫はします。結果的に、確保していたスペースはすべて埋まり、収益はプラスになりました」 ――しかし、これだけ多くの場所を囲ってしまうとトラブルも起きそうですが……。 「当日、一般客が『広く取ってるんだから少しくらい分けてくれ』と言われることがあります。たまにケンカごしにね。でもこっちは譲る気はありません。特等席を確保したいんだったら、お金か時間を使えといいたい。こっちは3週間、常にスタッフを見張りとして常駐させたりと人件費をかけているんで文句を言われることはないですね」  花見の際は、大手企業からの場所取り依頼が殺到するそうだ。たしかに新入社員に場所取りをさせて、文句を言われるくらいなら、外部に依頼したほうがいいかもしれない。代行業はそれだけ需要があるのだ。  いい場所を探して炎天下で彷徨うか、お金を払っていい場所を取ってもらうか、花火大会を楽しく過ごすためにあなたならどうするだろう? <取材・文/まいまい 取材協力/村田らむ>
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