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グレーな合法稼業 年収は明暗くっきり!

(裏)稼業の平均年収 【合法危険産業系】 平均:805万円 最高額:5000万円 最低額:10万円 ※詳細は下記の一覧を参照
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ちょっと危険だけども合法。そんなグレーな稼業を集めた。 まずは、稼業人にとって、美空ひばりの昔から続く生業のひとつ、イベント興行。地方都市で地下格闘技大会を主催する坂下氏(38歳)に業況を聞いた。 「チケット代と飲食代に、企業や飲食店からの協賛金がメインですが、地元の旦那衆に打たせるバクチがデカい。一回の興行で、2500万円くらい手元に残りますね」 また、イベントに付き物のダフ屋の飯島氏(57歳)はキャバクラのモテ常連だ。 「あるよ~あるよ~、エグザイルあるよ~なんて言ったらもう大騒ぎ。人に喜ばれる職業だ(笑)」 だが、イベント会場周囲に屋台を出すテキ屋となると、昨今は厳しく、300万円にも届かない。 「ウチは実家がテキ屋なんですけど、お祭りから締め出され、もう営業場所自体がほぼありません」 とは、タトゥーショップを営む森山氏(35歳)の弁。家業に見切りをつけ、ある彫師のもとで修業し、現在は都内で独立開業。針先ひとつで、年間2500万円を稼ぐ人気彫師だ。 このようにヤクザの周囲で仕事をするカタギという選択は賢明で、産廃処理場の従業員なら、ヤクザから預かった”不思議な荷物”を黙って埋めるだけで数百万円もの臨時収入を得られる者もいる、ヤクザからワケありの家電や金属資源を買い取るヤードも、同様のポジションとなる。 人気の戦場カメラマンその年収はいくら?
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一方、収入アップよりも、現在の自分を大きく変えたいと望むなら、いま流行りの戦場カメラマンが最適だろう。 『戦場のハローワーク』の著者で元戦場カメラマンの加藤健二郎氏(44歳)は、フランス外人部隊を目指したが不合格。やむなく銃をカメラに持ち替えた変わり者だ。 「傭兵は命懸けの割には給料安いんですが、カメラマンのほうは年収700万円を超えていました。テレビに出れば、年収1000万はいくでしょうね。戦争がなければ暇ですが、単行本なんかを出せれば印税も入ってきます。収入は意外と安定してますね」 また、都市伝説のごとく語られるマグロ漁船乗組員も高給ぶりは健在で年収800万円は堅いとか。陸の瑣末な人間関係から逃れて新しい自分を見つけるには、意外とオススメな職業かもしれない。 さらに別次元、ホームレスの世界も悪くない。手配師の宇治氏(54歳)は、人夫を集めて工事現場に派遣するのが仕事だが、ホームレスの優雅な生活を羨む一人だ。 「空き缶や週刊誌を拾って回れば一日3000円にはなるでしょ。月に10万円稼いで、中には生活保護もらってるのもいる。月に一度の風俗通いを欠かさないなんてヤツもいるしね。うまくやれば”アリ”な生き方だよね」 しがみつかない生き方は、時代の最先端と言えるかもしれない。 1位 地下格闘技主催者 5000万円 協賛金の徴収や賭博開帳はもちろん、チケット捌きにもヤクザのノウハウとネットワークが不可欠。それらをいかにコントロールするかが、主催者の腕の見せどころだ 2位 彫師 2500万円 全身刺青で一人30万~40万円が相場。お得意さんのヤクザ組織があれば、新人加入のたびに仕事が発生。カタギの間でもタトゥー文化は定着しており、食いっぱぐれなし!? 3位 産廃処理場従業員(非合法所得) 1650万円 行政が第三セクターで運営している処分場では、年収600万円。民間の場合はこれより下がるが、ヤクザとの付き合い方によって年に1000万円もの小遣い稼ぎをしたつわものも 4位 マグロ漁船乗組員 800万円 借金返済のために放り込まれる、などとまことしやかに語られるが、現在は素人の乗船はほぼ不可能。年間10か月乗船でおおよそこの金額。頑張れば1000万円も夢じゃない 5位 戦場カメラマン750万円 誰もが儲かったイラク戦争バブルの後は、冬の時代。写真一枚当たりの掲載料は、1万50 00円程度で、経費を考えると赤字確実。単行本やコラム掲載でしのげないとツラい 6位 出版ブローカー 600万円 雑誌出版に必要な「雑誌コード」の売買を一件仲介するたびにおよそ100万円程度。また、出版社から雑誌制作の依頼を元請けし、孫請けに出して中抜きをする 7位 ダフ屋 550万円 昨今の主流は、チケット購入権のネット売買に移っており、肉体的な負担と法的リスクは減っている。発券の権利を売るという手法でマイナスも出ない合理化が進行中 8位 パパラッチ 520万円 写真誌編集部の指令で芸能人や有名人を追って写真を撮る仕事。長時間の張り込みでも切れない集中力と体力が必要。基本的に歩合制なので、撮れない新人はほぼタダ働きに 9位 ヤード経営者 510万円 家電や金属資源、クルマなどを買い取り、スクラップ業者に売ったり、海外に輸出する仕事。盗品流通の拠点として警察が関心を寄せるが、摘発事例は少ない 10位 傭兵 500万円 最前線のジブチ駐屯の第13外人准旅団なら、月3567ユーロ(約40万円)に加えて、衣食住も完全支給。勤続3年で、フランス国籍取得の申請が可能になる。ある意味オイシイ!? 11位 新聞勧誘員・拡張員 470万円 購読契約をもぎとる人間力勝負の世界。訪問販売経験者や元チンピラが多数在籍しているが、月に40万円以上も稼ぐ学生アルバイトもゴロゴロいる 12位 探偵 450万円 標的のクルマに発信機をつけて追尾したり、自宅前で顔写真を望遠撮影するなどハードな仕事だが、ベテランの探偵によれば「雇われは薄給。独立すればオイシイ」とのこと 13位 ブラックジャーナリスト 400万円 かつての総会屋の現代版。クライアントと対立する企業や個人のスキャンダルを取材し、ウェブサイトやメルマガでばら撒く仕事。収入の割にたまに殺されるなど、危険度抜群 14位 ヤクザ雑誌ライター 350万円 親分の名前を一文字間違えただけでも雑誌回収の騒ぎになるストレス多き業種。ヤクザ業界での人脈構築によるバランス感覚が何よりも大事。苦労の割に報われないことも多々 15位 手配師 300万円 寄せ場と呼ばれる集合場所にワゴンで乗り付け、日雇い労働者を数人ピックアップして現場へ運ぶ仕事。一人手配するごとに3000円程度のバック。いわゆる人材派遣業者 16位 左翼活動家 280万円 有名セクトの専従活動家には、支援者からのカンパを原資として月給20万円程度が支給されている。業務内容は機関紙の作成、デモの企画運営から事務所での炊事など多岐に 17位 テキ屋 250万円 寺社の祭礼やイベント行事に際してたこ焼きなどの屋台を出すのが仕事。一日の売り上げは頑張って5万円程度と振るわないため、オシャレなケータリングへ移行する者も 18位 路上本屋 150万円 ホームレスが拾ってきた雑誌を買い取り、路上で販売する仕事。出店エリアを管轄するヤクザ組織が用意する寮に住み込み、そこから出勤する。月の手取りは10万~15万円 19位 ホームレス 60万円 発売日のジャンプなどなら一冊50円で路上本屋が買い取ってくれる。最大の固定費である家賃から解放されて身軽。随時炊き出しも行われているので食いっぱぐれることも少ない 20位 右翼活動家 10万円 右翼団体には専従する者が基本的に存在しない。また、志あるカタギが末端構成員になっている場合、そのほとんどは手弁当である。たまにもらえる小遣いの総計がこの金額 ※一覧表の見方 表中の年収は取材対象者の申告と同業他社の状況を聞き平均化、年収ベース化したものです。基本的には経費などを引いた実質的な所得になります。また、本文中に登場する人物は一部を除いてすべて仮名となります イラスト/石井匡人 ― (裏)稼業の年収、全部晒す!【3】 ―
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