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もし、残念な人が『論語』を読んだら【その4】

「付き合っている彼女との結婚話がご破算になりました」
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 4年付き合っている彼女に、先日、結婚を前提に僕の実家で一緒に暮らさないかと意を決して軽いプロポーズ。が、彼女の答えは「あなたが私の収入を上回ったら考えてあげる」「飼っている犬と離れたくないから嫌」と。収入のことを言われると返す言葉もないが、4年付き合っているのに僕はペット以下!? 付き合いは続いているけれど、彼女からは「私の家に婿にくるなら考える」なんて条件も出されて……。こんな悩みにも『論語』は答えてくれますか? 「『唐棣の華、偏として其れ反せり。豈に爾を思わざらんや、室是れ遠ければなり。子曰わく、未だこれを思わざるなり。夫れ何の遠きことかこれ有らん』という一節があって、これは”風に吹かれて桜が舞うよ、飛んで行きたい、あなたのもとに。だけどあまりに遠すぎる……という俗謡があるけど、本当に恋しかったら遠すぎるなんて言わないだろ”と訳せる。つまり、言い訳をしているだけで、本気で愛していないんだろう、と」  イヤ、僕の彼女への愛は本物です! たぶん……。 「婿養子になってでも尽くそうと思うならそうすべき。それが嫌なら、別れるんだね(笑)。でも『唯だ女子と小人は養ない難しと為す』なんて言葉もあって、”女性の相手は難しい。私も苦労するよ”と言っている。孔子も女性の扱いには悩んでたんじゃないかな」  孔子ですら悩むなら、僕が悩むのも当然じゃん。それにしても、『論語』って、思ったよりも堅苦しくないんですね! 「根本的に孔子が説いているのは、”自己中心的に生きなさいよ”ということ。でも実はそれがけっこう難しいんだな。いつでも我を忘れずに自分を保つことで、きちんと『誠意』『正心』を持って生きようということだから」  そこにある自分をちゃんと見つめましょう、ってことですか? 「そのとおり。でも最近は見つめるべき自分自身すら見失っている人が多い。世間の目を基準にしているから、我を忘れるもなにも、肝心の”我”がわかってないんじゃないかな。だからこそ、論語ブームなんだろうけど、難しく考える必要はない。『論語』に書かれているのは当たり前のことで、しかもそれは一般論ではない。一度、誰かの口語訳を読んだら、自分なりに論語を訳して新しい『論語』をつくればいいんだよ」
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