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医者が教える「イライラしない生活のコツ」

電車の中や職場、ネット上……。日常生活を送っていると、怒るほどではないもののイラついてしまうことは誰にでもあるもの。それでもなるべくストレスフリーで生きたい! そこで、傾向と対策を立ててみた  ◆複数のイライラ解消法を持っておくのが理想 
古賀良彦教授

古賀良彦教授

 前回(https://nikkan-spa.jp/282209)は、香りでの解消法をご紹介したが、香り以外の五感を活用するイライラ解消法にもさまざまなものがある。 「視覚については、パステルカラーに心を鎮める作用があります。自宅でよりリラックスしたい人は、目に入りやすいカーテンなどをパステルカラーに替えると効果的でしょう。聴覚の面では、ヒーリング・ミュージックのようなものを試すのもいいでしょうし、単純に自分の好きな曲、思い出の曲を聴くだけでもいい。楽器ができる人ならそれを弾くのもいいと思います。また楽器以外でも、帰宅後に一人で楽しめる趣味があれば、昼間のストレスを翌日に持ち越さずにすみます。スマホを使ったバーチャルなコミュニケーションなどではなく、手足を動かすようなものが理想的。自宅で、外出先でと状況に合わせたイライラ解消法を複数持てれば、イライラをためこむ心配も大きく減ります」   なお頭でのイライラ解消法では、「自律訓練法」に高い効果が認められている。  「『気持ちが落ち着いている』『両手両足が温かい』『お腹が温かい』『額が気持ちよく涼しい』などの7つの公式を心で唱えながら、心身をリラックス状態に導くストレス緩和法で、世界中で実践されています。頭寒足熱という言葉がありますが、イライラ対策では首から上を冷やし、お腹から下を温める『頭寒腹熱』が正しいんですよ。職場では顔を洗って『頭寒』をした後、温かい飲み物を飲んだりひざ掛けをしたりして『腹熱』すればイライラも解消できます」   それでもイライラをためこみやすい人は、日常生活から見直しを。  「基本はたっぷりの睡眠と早寝早起き、三度のご飯。朝早くに20分以上は陽の光を浴び、誰かと対面でコミュニケーションをとれば、より健全な生活リズムをつくれます。理想は小学生の生活ですね。早寝早起きで、朝食もきちんと食べる。授業(大人なら仕事)の合間には休みをとって、運動もして、帰ったら早めに夕食をとり、風呂に入って早く寝る。この生活なら絶対イライラもたまりません¡」  【古賀良彦氏】 杏林大学医学部精神神経科学教室主任教授。専門領域は精神生理学、臨床精神病理学。日本催眠学会理事長、日本ブレインヘルス協会理事長なども務める。著書に『快眠美人になる!』『いきいき脳のつくり方』  取材・文/古澤誠一郎 田幸和歌子 桜田容子 増山かおり 安田はつね(本誌)協力/イラッと研究所 味香り戦略研究所 メディアパーク ― 日常の[イラッと]を科学する【9】 ― 
いきいき脳のつくり方

脳がいきいきすれば人生もいきいき!

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