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ももクロに“全力”を注ぐアラフォー男の主張

 男も35歳ともなると、仕事でもある程度責任のある立場になり、結婚や子供の誕生といった人生の次のステップを歩み……と、言いたいところだが、中には次のステップへと踏み出せずに迷走し始める男性も少なくない。その具体的な迷走ぶりを紹介していこう。 ◆ももクロは全力だった青春時代を思い出させてくれる 中村大輔さん(仮名・37歳・既婚・子供なし) ももクロ 運動部で汗輝くクラスメイトを横目に帰宅して、テレビのなかの「おニャン子クラブ」会員No. 17城之内早苗に注いだ青春時代。都内でエンジニアとして働く中村大輔さんは、「20年ぶりにハマった」という『ももいろクローバー』の魅力を熱弁する。 「AKB48を筆頭とするアイドル戦国時代で、ももクロちゃんは『全力パフォーマンス』をウリにしている。僕は彼女たちを見て、自分が『全力』から逃げているんじゃないか? と気づき始めた。結婚、出世、40前ですでに老後まで考えている。僕は……まだ、できるんじゃないか。『おニャン子』に注いだ情熱は、まだ衰えていない! そこで決意しました」  中村さんは可能な限り日本全国のライブには追っかけファンとして同行。チケット抽選で敗れても、オークションサイトで貯金を切り崩して購入。青春時代のプレイバック状態で、彼女たちに愛を注ぐ日々。さらに……。 「大勢のアイドルが集まる合同イベントで、『東京女子流』など他の完成度の高いアイドルにハマりだしました。やっぱり彼女たちも輝ける時間は期間限定。脇目も振らず駆け抜けた、学生時代の自分を眺めているような気分になる。アイドルを通して自分にエールを送っているのかもしれないですね」  この熱狂ぶりに中村さんの妻も呆れ果て、現在は黙認状態に。ファン歴も2年目を迎えた昨今は、「ももクロちゃんの擬似的な成育を通して、同年代の友人たちは子育てに追われ辟易する気持ちが少しわかったよ、ったく」と苦笑いする。子供をつくればと取材班が言うと、「男の子ができたら自分のクローンみたいで、気持ち悪くて捨てちゃう」と真顔だった……。 「アイドルのライブにいる瞬間は、僕も彼女たちと同じ10代の少年に戻れる。特にももクロちゃんの全力ぶりには、今後も全力で応えていきたいですね」  その全力、子づくりに注ぐわけにはいかないのだろうか? 【こじらせ男の神器】 仕事で挫けそうになったら、ももクロのCD&DVDを見て「全力」を思い出す イラスト/ただりえこ ― 35歳が分岐点[人生をこじらせた男たち]の共通点【2】 ―
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