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震災後、あなたの考え方で変わったことは?「体力UPのため筋トレを始めた」

― 有名人が告白 震災で変わった「私の生き方」 【13】 ― 阪神大震災、オウム事件、9・11――。これらの出来事と今回の東日本大震災の一番の違いは“当事者感覚”の有無だろう。東京から明かりが消え、余震が続いたなか、人々は原発の情報収集に奔走したからだ。そんな状況を経て、各界著名人の価値観はどう変わったのか? また一般の人々はどう変わったのか?  東日本全域を襲った地震被害と津波、そして原発問題。誰もが情報に過敏になり、そのメンタリティにも大きな影響を及ぼした。  ではその”変わった”内面とは何か? 下記は都内に在勤する30代男性100人を対象にした意識調査だ(複数回答)。 Q.東日本大震災後、あなたの考え方で変わったことはなんですか? 1位.節電意識の高まり 56人 2位.防災意識の高まり 52人 3位.家族との繋がりが大切に 33人 4位.マナープランの見直し 27人 5位.日本を愛する気持ち 25人 6位.政治への関心 21人 7位.仕事観 20人 8位.死生観 18人 9位.体力を高めたい 12人 10位.友人関係の見直し 11人 11位.頭脳能力を高めたい 8人 12位.疎開先を確保する必要性 7人 13位.変わらない 5人  まず、半数以上の票を集めたのが節電&防災意識の高まり。「無駄な電気はつけない」「極力歩くように心がけている」といった行動の根底には、「日常の生活がいかに原発頼みかわかった」(39歳・メーカー)、「限られた電力をみんなでシェアすることが大切」(37歳・SE)という認識があるように思える。  2位の防災意識では、水、非常食、懐中電灯、ラジオなどライフラインの確保を心がける声が多数集まったが、9位の「体力を高める」のコメントにあるとおり、「結局最後は生き抜く体力が必要だから筋トレを始めた」(35歳・メーカー)、「道具がなくても生きていけるようにサバイバルの本を読み始めた」( 31歳・SE)など、有事を想定した、よりアクティブな防災意識もあるようだ。  人間関係についての認識を新たにしたという意見も目立つ。3位の「家族との繋がりが大切に」では、「被災された方々を見て、家族の安全が幸せの最低条件なんだと改めて気づいた」(35歳・SE)、「家族を不幸にしてはいけないという気持ちが強まった」(37歳・メーカー)など家族愛を強める一方、10位の「友人関係の見直し」では「窮地に陥ったときこそ人の本質が見える。これからは知り合いを増やすのではなく、同志を募ることが大切」(36歳・サービス)とドライなコメントも。  6位の政治への関心では「想像以上に機能していないことにイラ立つ」「口先だけの政治家はもうごめん」「非常時でも与野党の協力が見られなくて残念」と政治に不信感を募らす意見が目立ち、そんな国の将来に対する不安が「為替、株、債券のトリプル安に備えて純金積み立てを検討している」(36歳・公務員)、「貯金を分散化し始めた」(32歳・IT)など、4位のマネープランの見直しにも関わっているようだ。  そして7位の「仕事観」。「どこでも働ける資格を取っておきたい」(35歳・設計)、「海外での仕事を考えている」(33歳・サービス)とスキルアップの必要性を感じる一方で、「家から近い会社への転職を考えている」(38歳・福祉)、「給料の高さよりも人の役に立つ仕事に就きたい」(30歳・不動産)と、意見が割れる結果になった。  最後に8位の「死生観」。「老後まで生きられるなんて思えない。だからこそ日々を無駄にしない」(37歳・出版)、「同じ明日が来るとは限らない」(35歳・技師)。人はいつかではなく今日明日にも死ぬ――そんなことを多くの人が感じているのかもしれない。 取材・文/紺谷宏之 持丸千乃 猪口貴裕 杉原光徳(ミドルマン) 古田雄介(ぜぜ) 宮下浩純 鈴木靖子・池田達哉(本誌) 撮影/福本邦洋 黒川たくや(IDEA GRACE) 山田耕司・山川修一(本誌) アンケート協力/メディアパーク
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