新型イプシロン登場で再認識したクルマのブランドの重要性

新型イプシロンの登場を喜んだのも束の間、なんかヘン! それは新型のブランドがイタ車のランチアではなくアメ車のクライスラーだったから。なんでこんなことに? 自分の大好きなクルマが、ある日、違うブランドから登場したら許せる? それとも許せない? 現ランチアオーナーの伊達軍曹と元ランチアオーナーのMJブロンディで考えてみました【後編】
CHRYSLER YPSILON

価格は普及版のゴールドで235万円。本革仕様のプラチナは265万円。ランチアは販売不振から消滅の方向にあるが、イプシロンだけは売れているので欧州以外ではクライスラーブランドで売られることに。日本に輸入されるのは右ハンドルのAT車

MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi 大子香山=撮影 Photographs by Daiko Kazan ※【前編】はこちら⇒https://nikkan-spa.jp/355129
新型イプシロンはクライスラーのバッヂを見た瞬間萎える
MJ「考えて見るとオレ自身、クルマを除くと一切ブランドにはこだわってないんだよ。ファッションは全身ユニクロだし!」 軍曹「私もクルマ以外にはそれほどこだわりはないですが……。あ、ありました。ギターはフェンダーかギブソン、リッケンバッカー以外、どんないい音がしてもダメです」 MJ「へえ」 軍曹「ちなみにユニクロは下着以外はダメです。ジャージはアディダス以外受け付けません!」 MJ「つまり、自分が魂を込めている分野については、ブランドにこだわるということだね?」 軍曹「そうです。私がたとえばダルビッシュ有であれば、ブランドなんぞにこだわる必要はないでしょうが、一般人である自分は、乗っているクルマや弾いているギターのブランドで、自分の価値がある程度決定されてしまいます。たとえ他人が気にしなくても、自分で自分が許せないであります!」 MJ「だからそこを乗り越えて、男としてダルビッシュ有を目指すべきではないか。クライスラー・イプシロンに乗って、『ブランドなんか関係ないよ、いいクルマだから買っただけさ』と言える、でっかい男になるべきじゃないか!?」 軍曹「ムリです! MJさんはフェラーリを持ってるから、そんなことが言えるんです!」 MJ「げっ!」 軍曹「確かにフェラーリを持っていれば、セカンドカーがランチアだろうがクライスラーだろうが。どっちでもいいかもしれません。しかしランチア愛好者には、それがすべてなんですよ!」 MJ「いや、そこを乗り越えて……」 【結論】 この失われた20年で、日本人はブランドどころじゃなくなったが、クルマ好きにとっては、まだまだブランドはとても重要。クライスラー・イプシロンの登場は、それを再認識させてくれました ― アメ車ブランドから登場したイプシロンはアリなのか?【2】 ―
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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