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施錠された「釣り禁止の堤防」の合鍵が裏で流出しまくっていた

 昨今、海や川での密漁行為が増加している。密漁といえば、暴力団の資金源のように、組織的な犯行がとりざたされることが多いが、実は、立ち入り禁止区域に入る不法な釣りや、禁漁とされている魚介類を獲るなど、個人の“素人”による犯行も横行しているのだ。逮捕されるかもしれないリスクを背負ってまで行為を繰り返す、素人密漁者の姿を追った。 【前編】死者続出で立入禁止の堤防に不法侵入する釣り人たち
⇒https://nikkan-spa.jp/379255
<関東沿岸>【後編】 ◆合鍵の入手ルートは港湾局の従業員から?
素人密漁者

釣り仲間内で合鍵を回し、死の防波堤へと向かう違法な釣り人たち

 関東沿岸のある大型港湾。釣り人の間で“隠れた爆釣りスポット”として知られるも、転落して死亡する釣り人が続出し、過去に68人もの死亡事故が起きている防波堤。現場付近をパトロールする警察の存在もあってか、日中は死の防波堤には人影すらなかった。  だが、日没に差し掛かると事態は一変した。  前編(https://nikkan-spa.jp/379255)で素知らぬ顔で「聞いたこともない」と答えた男性たちが、慣れた様子で防波堤への門扉を開け、自転車で侵入していったのだ。同時に、どこからか現れた釣り人たちが続々と死の防波堤に向かっていく。その数30台近く。港湾局から聞いた数よりはるかに多い。3時間以上かけて他県から来たという男性は、「鍵の種類が変わるたびに合鍵を買ったから、今では5種類くらいある。数か月通ってようやく常連の釣り人に売ってもらえたんだよ」と話した。  どうやら合鍵は、地元釣り仲間のコミュニティ内で出回り、彼らに信用されて初めて購入できるようだ。その出どころについて、近くの釣具店店主はこう話す。 「合鍵はもともと、港湾局で働いている近所のヤツに釣った魚をあげたらお礼に貸してくれたものなんだよ。そのコピーが出回って、なかには売って商売をする輩も出てきた。毎週末あの防波堤に来ている連中は、全員合鍵を持ってる」  防波堤に侵入する輩を横目に、ある釣り人はこう話した。 「あの防波堤は波が穏やかな日でも、風向きが変わればすぐ波に足元をすくわれる。ハッキリ言って、あいつらはバカだよ」  このような状況について、全日本釣り団体協議会も「保全目的などで釣り場がどんどん減ってきているという面はあるが、それを差し引いても、一部のモラルない行為が自分たちの首を絞めている」と嘆く。  結局、もっとも迷惑を被るのは健全な釣り人たちなのだ。
素人密漁者

防波堤付近には危険を知らせる看板も。「立ち入り禁止区域での釣りは軽犯罪取締法に抵触します」(港湾局)

― 海で!川で![素人密漁者]が大暴れ【2】 ―
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