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ヤクザ業界のカネが“名古屋流”に一極集中!?

ヤクザ

いくら食い詰めてもお世話にはなりたくないものだ

 ヤクザの困窮化がいよいよ、深刻化している。 「暴排条例が施行されてからの当局の捜査方針は異常としか思えない。暴力沙汰や詐欺をやったならともかく、ゴルフ場に行って別名でプレーしただけでしょっ引かれるご時世ですよ。上から下まで締め付けがきつすぎて生活なんて成り立たたない。二次団体の幹部クラスでさえ、100万200万の金が用意できなくて右往左往する始末で、昔なら考えられないことだ」  と溜息を漏らすのは、関西に根を張る広域指定暴力団幹部のA氏だ。  確かにここ最近の報道を見ても、別名義でマンションを借りたり、銀行口座を開いただけで複数の暴力団組員が逮捕されている。A氏が語る。 「この世の中、ヤクザは銀行口座を開いてもすぐ凍結されるし、住むためのマンションだって本人名義じゃ借りられない。車も買えなければ、組事務所では出前だってとれないんです。これじゃ生きるな、死ねと言われているようなものですよ。今、関西ではどんどん組が潰れていて、向こう1~2年でさらに1割ほどなくなると言われています。ヤクザの7割~8割はもはや食えていない。生活保護を受給したり保険金詐欺を働くくらいしか稼ぐ手段のない人間だらけです」  この傾向は、とりわけ40歳以上の暴力団員の間で深刻だという。食い詰めた組員の末路は悲惨だ。 「組を抜けて覚醒剤の密売人になったり、若いヤクザがやってる詐欺グループの下っ端になったり……それが耐えられなくて自殺を選ぶのもいる。ピラミッド組織は崩壊寸前で、いまや逆ピラミッドのようになっている。そこからあぶれる人間はこれからどんどん増えていくだろう。行き詰まったヤクザによる逮捕覚悟の恐喝や強盗事件が増えるでしょうね」(A氏)  まさにどん底の暴力団業界にあって、数少ない例外があるとすれば六代目山口組組長を輩出した弘道会だという。資金力に余裕があるせいか、そのシノギ方は異彩を放っているとA氏は語る。 「表の仕事であれ裏の仕事であれ、普通、ヤクザに何か頼んだら先に金をつけるでしょう。例えば地上げするとしたら、依頼主は実働部隊に経費やら何やら、先に支払ってから取り掛かってもらうのが順番だった。ところがここ最近の名古屋は違う。『お代は儲けてからでええですよ』といって、後払いで回収するんです。滅多なことでは堅気衆を脅したりしないから、それはウケがよくて、ライバル団体だった山健組もぎょうさん仕事をとられてしまってますよ」  かくして、同じ山口組内でもカネが一極集中しているのだという。 「このアンバランスな状態は何かの導火線になりかねない」  とのA氏の危惧が、現実とならないことを祈るばかりだ。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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